ストラヴィンスキーの音楽で多彩なダンスの世界を体感

Co.山田うんが新作発表とともに力を入れているのがレパートリーの巡演で、2013年に初演された『春の祭典』は国内外で再演を重ねている。ストラヴィンスキーの同題曲に奇を衒うことなく正面から取り組んだ力作であり、不協和音や変拍子で表される深遠で根源的な世界観に肉体を駆使して挑む。地面をしっかりと捉えエネルギッシュに踊られる群舞の密度の濃さとパンチ力はハンパない。12月の高知、金沢公演では『春の祭典』に加え、『結婚』『日本の三つの抒情詩』という、同じくストラヴィンスキーの名曲にのせた秀作を上演する。前者は山田と川合ロンのデュエット、後者は伊藤知奈美のソロだ。
今回のツアーはストラヴィンスキーの音楽をソロ、デュエット、群舞のダンスで堪能できる趣向も心憎く、お買い得である。ダンスファンに留まらず、多くの方々にお薦めしたい。
文:高橋森彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年12月号から)
12/5(土)15:00 高知県立美術館ホール
12/19(土)18:00、12/20(日)15:00 金沢市民芸術村 パフォーミングスクエア
問:Co.山田うん080-9640-5361
高知県立美術館088-866-8000(12/5のみ)
金沢芸術創造財団 事業課076-223-9898(12/19、12/20のみ)
http://yamadaun.jp