スリランカ生まれ、ドイツ育ち。欧州で異彩を放つマエストロが読響との共演で日本デビュー!

左:レスリー・スガナンダラージャ ©Mathias Baus
右:アレクサンダー・ガジェヴ ©Vitoria Nazarova

 現在、欧州でめきめきと頭角を現す指揮者、レスリー・スガナンダラージャが読響と初共演を果たす。スガナンダラージャはスリランカ生まれのドイツの指揮者。幼少時にスリランカ内戦を逃れて家族とともにドイツに移り、ハノーファーで育った。ピアノ、フルート、オルガンを学んだ後、指揮者への道を歩み、コブレンツ劇場とリンツ州立劇場でカペルマイスターを務めた。2019年からはザルツブルク州立劇場の音楽監督を務めている。2027年9月からはフライブルク劇場の音楽監督に就任することが発表されている。つまり、南アジア風の姓から受ける印象とは裏腹に、典型的なドイツの歌劇場の叩き上げタイプの指揮者なのだ。

 そして、近年のスガナンダラージャはオペラのみならずコンサートにおいても評価を高めている。ロイヤル・フィル、BBC交響楽団、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団ほかに客演し、着々とキャリアを積んでいる。その評判が読響にも伝わって、今回の共演が実現した。

 プログラムはドヴォルザークの歌劇《ルサルカ》から「ポロネーズ」、アレクサンダー・ガジェヴがソリストを務めるショパンのピアノ協奏曲第1番、シューマンの交響曲第3番「ライン」。しばしばオーケストレーションの問題が議論を呼ぶシューマンをあえて選ぶあたりに、スガナンダラージャの意欲が垣間見える。なにか狙いを持った選曲なのだろう。思索するピアニスト、ガジェヴとのショパンにも大いに期待したい。

文:飯尾洋一

(ぶらあぼ2026年10月号より)

レスリー・スガナンダラージャ(指揮) 読売日本交響楽団
第291回 土曜マチネーシリーズ 2026.10/17(土)

第291回 日曜マチネーシリーズ 10/18(日)
各日14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問 読響チケットセンター0570-00-4390
https://yomikyo.or.jp


飯尾洋一 Yoichi Iio

音楽ジャーナリスト。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』新装版(三笠書房)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『マンガで教養 やさしいクラシック』監修(朝日新聞出版)他。音楽誌やプログラムノートに寄稿するほか、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなど、放送の分野でも活動する。ブログ発信中 https://www.classicajapan.com/wn/