
下段左より:荒木奏美/毛利文香 ©Sihoo Kim/篠原悠那
今もっとも熱い注目を集める17歳のトランペット奏者、児玉隼人。そして、ピアノに指揮に作曲にと多彩な活躍をくりひろげる實川風。そんなふたりが意外にもバロック音楽で共演する。しかも實川はピアノではなく、指揮を務めるのだ。
12月5日に渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールで開催される「バロックの祭典2026」は、實川の呼びかけによって実現した公演。實川指揮のもと、児玉隼人のトランペット、ショパン国際ピリオド楽器コンクールで第2位を受賞した川口成彦のチェンバロ、読響首席オーボエ奏者の荒木奏美、コンサートマスターに毛利文香、第2ヴァイオリン首席奏者に篠原悠那を迎えた大和田チェンバーオーケストラが共演を果たす。これだけの気鋭の奏者が一堂に会する機会は貴重。モダン楽器の名手たちもバロック音楽に取り組んでくれるとなれば、なおさらだ。
プログラムも凝っている。テレマンのトランペット協奏曲ニ長調、マルチェッロのオーボエ協奏曲ニ短調、バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調、テレマンの「ターフェルムジーク(食卓の音楽)」第2集序曲といった名曲に加えて、18世紀スペインの作曲家マヌエル・ナーロのチェンバロ協奏曲ト長調の日本初演や、實川作曲の「草原の音楽—トランペットと室内オーケストラのための」世界初演も行われる。発見と驚きに満ちた一夜になりそうだ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2026年11月号より)
さくらホールコンサート「バロックの祭典2026」
2026.12/5(土)18:00 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
問 渋谷区文化総合センター大和田 ホール事務室03-3464-3252
https://www.shibu-cul.jp

飯尾洋一 Yoichi Iio
音楽ジャーナリスト。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』新装版(三笠書房)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『マンガで教養 やさしいクラシック』監修(朝日新聞出版)他。音楽誌やプログラムノートに寄稿するほか、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなど、放送の分野でも活動する。ブログ発信中 https://www.classicajapan.com/wn/
