現代を生きるダンサーが体現する近松の世界

Bプログラムには、日本舞踊の吾妻徳穂、クラシック・バレエの酒井はな、フラメンコの蘭このみと、異なるジャンルでトップを走る3名の女性ダンサーが登場。蘭このみは、近松の『冥土の飛脚』に登場する遊女・梅川を題材にした『梅川』を披露。遊女の切ない想いを、ギターとカンテ、フラメンコのステップにのせ熱く訴える。酒井はなが踊る『近松リポーターズ』は、ザ・フォーサイス・ カンパニー出身の島地保武による振付。近松作品に見る人々の生き様を、酒井と島地のデュオで体現してゆく。吾妻徳穂が踊るのは、自身の振付『五障 Gosho (おさんと小春より)』 。近松の代表作『心中天の網島』の妻おさんと遊女小春の姿を借り、女性が持つとされた五つの障り(煩悩、業、生、法、所知)を演じてみせる。そこに共通して描かれるのは、近松作品に蠢く女たち。現代を生きるダンサーが、近松作品の世界観を通し、今も昔も変わることのない人間の業と普遍の愛をあらわにする。
文:小野寺悦子
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)
Aプログラム 10/9(金)〜10/11(日)
Bプログラム 10/16(金)〜10/18(日)
新国立劇場(小)
問:新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999
http://www.nntt.jac.go.jp/dance