第11回 国際オーボエコンクール・軽井沢 入賞者&審査委員コンサート

3年に一度のゴージャスな饗宴


これほど華麗なオーボエの祭典は他にない。今年10月、第11回「国際オーボエコンクール・軽井沢」が行われる。同コンクールは、1985年より3年毎に開催。シカゴ響、パリ管ほか多くの楽団の首席奏者を輩出するなど、世界屈指の実績を誇っている。コンクール自体も公開されているので、興味ある方はぜひ足を運んで欲しいが、ここで注目したいのは、終了後の「入賞者&審査委員コンサート」。2つの公演には、ファンならずとも垂涎のプログラムが組まれている。
まずは出演する審査委員の顔ぶれが凄い。委員長のハンスイェルク・シェレンベルガー(元ベルリン・フィル首席)、モーリス・ブルグ(元パリ管首席)、ゴードン・ハント(フィルハーモニア管首席)、アラン・フォーゲル(ロサンゼルス室内管首席)に、古部賢一(新日本フィル首席)、小畑善昭(東京芸大教授)、吉田将(読響首席ファゴット)が加わる豪華版だ。10月11日の軽井沢公演では、彼らが「展覧会の絵」(抜粋)とアルビノーニの2つのオーボエのための協奏曲を演奏。バリトンオーボエの発展形であるヘッケルフォーンも加わった前者、ブルグ&ハントのソロによる後者共に聴きものとなる。12日の東京公演は、バッハの「音楽の捧げもの」より「6声のリチェルカーレ」と、オーボエ・ダモーレ協奏曲。前者はシェレンベルガーと古部のコーラングレ演奏、後者はブルグのソロなど、こちらも見どころ充分だ。加えて両日とも、モーツァルトの協奏曲などが入賞者によって披露され、未来のスターの先物買いを、名作と共に楽しむこともできる。
愛好家はもちろん、名人芸に酔いたい音楽ファンは、この絶好機を逃してはならない。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年7月号から)

10/11(日)14:00 軽井沢大賀ホール
10/12(月・祝)15:30 東京文化会館(小)
問:「第11回 国際オーボエコンクール・軽井沢」事務局03-5227-5233
http://oboeck.jp