文化都市の豊穣をつたえる、こだわりの公演ぞろい!
1997年に始まった「京都の秋 音楽祭」が30回目を迎える。京都のクラシック音楽の重要拠点・京都コンサートホールを舞台に、多彩な企画で文化都市の底力を実感させる音楽祭だ。ここでは音楽祭の独自性が際立つ企画に焦点を当てよう。
まず京都市交響楽団(京響)が出演する企画。「開会記念コンサート」(9/12、完売)は園田隆一郎指揮によるマーラー「復活」で、一般公募により結成された約200名による市民合唱団が共演。30回記念を寿ぐモニュメンタルな企画だ。京響70周年記念「小林研一郎×京響」(11/8)では、名匠が指揮するドヴォルザークと木嶋真優独奏のチャイコフスキーが聴ける。

バロック鍵盤音楽演奏の第一人者、バンジャマン・アラールの公演も注目したい。チェンバロ(10/17、完売)、オルガン(10/24)で各オール・バッハ・プロ。前者には京都にゆかりの深い古楽奏者たちが共演。当音楽祭ならではの内容である。
関西の8つの音楽大学生が集結する「オーケストラ・フェスティバル」(9/13)も凄い。指揮に阪哲朗を迎え、合唱入りのラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲などラヴェル&ドビュッシー・プロ。サクソフォーンの齊藤健太が登場する「京都北山マチネ・シリーズ」(11/20)のように、最高クラスの演奏を低価格で楽しめる企画もある。この他、京響の3回の定期演奏会や沖澤のどかによる「プロコフィエフの陣」最終回、ロンドン交響楽団や内田光子など人気の高い公演も。約2ヵ月にわたり、文化都市・京都と世界がアクティブに響き合う。

文:矢澤孝樹
第30回 京都の秋 音楽祭
9/12(土)~11/28(土) 京都コンサートホール
第30回 京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート
9/12(土)14:00 大ホール(完売)
♪出演
園田隆一郎(指揮)、船越亜弥(ソプラノ)、八木寿子(メゾソプラノ)、京都市交響楽団、「京都の秋 音楽祭」30回記念市民合唱団
♪演目
マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」
第15回 関西の音楽大学オーケストラ・フェスティバル IN 京都コンサートホール
9/13(日)15:00 大ホール
♪出演
阪哲朗(指揮)、中野未唯(ソプラノ)[京都市立芸術大学]、近藤柚奈(メゾソプラノ)[京都市立芸術大学]、
関西の音楽大学による管弦楽団・合唱団(参加大学:大阪音楽大学、大阪教育大学、大阪芸術大学、京都市立芸術大学、神戸女学院大学、相愛大学、同志社女子大学、武庫川女子大学)
♪演目
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、選ばれし乙女
ラヴェル:ラ・ヴァルス、バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲
バンジャマン・アラール チェンバロ・リサイタル
10/17(土)15:00 アンサンブルホールムラタ (完売)
♪共演
井上玲(フラウト・トラヴェルソ)、大内山薫、大橋麗実(以上バロック・ヴァイオリン)、細川泉(バロック・ヴィオラ)、五味敬子(バロック・チェロ)
♪演目
J.S.バッハ:イタリア協奏曲 へ長調 BWV971、フランス風序曲 ロ短調 BWV831、ヴァイオリンと弦楽と通奏低音のための協奏曲 ト短調 BWV1056R、ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV1050
オムロン パイプオルガン コンサートシリーズ Vol.78 世界のオルガニスト “バンジャマン・アラール”
10/24(土)14:00 大ホール
♪演目
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565、フーガ ト長調 BWV577、シュープラー・コラール集 BWV645-650、「わが魂は主をあがめ」にもとづくフーガ BWV733、協奏曲 イ短調 BWV593、トッカータ アダージョとフーガ ハ長調 BWV564、フーガ ト短調 BWV578、トリオ・ソナタ第3番 ニ短調 BWV527、トッカータとフーガ ヘ長調 BWV540
京都コンサートホール×京都市交響楽団プロジェクト Vol.7「京響創立70周年記念『小林研一郎×京響』」
11/8(日)14:00 大ホール
♪出演
小林研一郎(指揮)[第8代京都市交響楽団常任指揮者]、木嶋真優(ヴァイオリン)、京都市交響楽団
♪演目
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 作品88
京都北山マチネ・シリーズ Vol.27 「世界が認めたサクソフォーン、究極の響き」
11/20(金)11:00 アンサンブルホールムラタ
♪出演
齊藤健太(サクソフォーン)、黒岩航紀(ピアノ)
♪演目
イベール(齊藤健太編):ソナチネ
プーランク(齊藤健太編):オーボエとピアノのためのソナタ FP.185
ドビュッシー:サクソフォーンのための狂詩曲 他
問:京都コンサートホール075-711-3231
https://www.kyotoconcerthall.org/autumnkyotomusicfestival30th/

矢澤孝樹 Takaki Yazawa
1969年山梨県塩山市(現・甲州市)生。慶應義塾大学文学部卒。水戸芸術館音楽部門主任学芸員を経て現在ニューロン製菓(株)及び(株)アンデ代表取締役社長。並行して音楽評論活動を行い、『レコード芸術online』『音楽の友』『モーストリークラシック』『ぶらあぼ』『CDジャーナル』にレギュラー執筆。朝日新聞クラシックCD評選者および執筆者。CD及び演奏会解説多数。著書に『マタイ受難曲』(音楽之友社)。ほか共著多数。


