【CD】ルナリス/ブルース・リウ

ブルース・リウの新譜のタイトルは「ルナリス」。この言葉にリウ自身は「夜の気配を持つ、内省と静かな輝きのための空間」といった意味を見出している。そのコンセプトのもとに収められた作品は、異名同音を主音に持つショパンの夜想曲 変ニ長調とベートーヴェンの「月光」ソナタに始まり、モンポウの「月の光」からの2曲やリゲティの小品、スクリャービンのソナタ第4番などを経て、ケージの「ドリーム」で締めくくられる。リウの温かくも知的なタッチが、柔らかな闇から穏やかな光に至る抒情的な物語へと導く。心静まる特別な集中力を喚起してくれるアルバムだ。

文:飯田有抄

(ぶらあぼ2026年9月号より)

【information】
CD『ルナリス/ブルース・リウ』

ショパン:夜想曲 変ニ長調/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」/モンポウ:「月の光」による〈グロッサ〉〈幻想曲〉/リゲティ:エチュード第4番「ファンファーレ」/スクリャービン:ピアノ・ソナタ第4番/ケージ:ドリーム 他

ブルース・リウ(ピアノ)

ユニバーサル ミュージック
UCCG-45140 ¥3300(税込)


飯田有抄 Arisa Iida(クラシック音楽ファシリテーター)

音楽専門誌、書籍、楽譜、CD、コンサートプログラム、ウェブマガジン等に執筆、市民講座講師、音楽イベントの司会等に従事する。著書に「ブルクミュラー25の不思議〜なぜこんなにも愛されるのか」「クラシック音楽への招待 子どものための50のとびら」(音楽之友社)等がある。公益財団法人福田靖子賞基金理事。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Macquarie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。