
弦の国・チェコが生んだチェロの達人で、陰影豊かな表現と温かな音色で聴衆を魅了するミハル・カニュカ。そんな彼が「最高の友人たち」とし、共に日本を代表する名手でもあるピアノの伊藤恵とヴァイオリンの漆原朝子と共演し、珠玉のアンサンブルを聴かせる「ピアノトリオ・プロジェクト」。2回目となるステージを11月に開き、ドヴォルザークの第4番「ドゥムキー」をはじめ、3つの佳品を披露する。
「2人と出逢えたのは、幸運でした。室内楽は、演奏面だけでなく、人間的に互いを理解し合える、友人同士によるものでなければ。その意味で、私たち3人の完璧な調和に、私は胸を躍らせています」と話すカニュカ。2024年の初共演では「リハーサルの段階で、大きな喜びとなる機会だと確信した」という。そして実際に、初回の公演は緻密かつしなやかな快演が大きな反響を呼んだ。
今回は、チェコ人にとって特に思い入れ深い「ドゥムキー」が軸に。「この曲の一番の魅力は、6つの独立した楽曲が美しい一つの作品群としてまとめられていることにある」とカニュカ。ここへ「並外れた個性と音楽的想像力に満ちている」と評するベートーヴェン、「驚くべき抒情性に満ちていると同時に、最高レベルの技巧を要する」というメンデルスゾーン、2つの「第1番」が組み合わされる。
「室内楽とは常に“対話”。それは共演者のみならず、ホールにいる聴衆との“対話”でもあるのです」。今回のステージは、きっとこの言葉を裏付けるものとなるだろう。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2026年10月号より)
ミハル・カニュカ(チェロ) ピアノトリオ・プロジェクト
2026.11/2(月)18:00 大阪/ザ・フェニックスホール
11/4(水)19:00 Hakuju Hall
問 KCMチケットサービス0570-00-8255
https://www.kojimacm.com
