
右:髙木竜馬 ©Yuji Ueno
日々の暮らしに音楽の「ごほうび」を。第一生命ホールの「ごほうびクラシック」は、気軽に楽しめる約1時間のプログラムと手頃な料金で人気のシリーズだ。10月の公演には、今もっとも注目される若手実力派ヴァイオリニストの東亮汰が登場する。
東は、同ホールが主宰する若手室内学奏者育成プロジェクト「ウェールズ・アカデミー」の第1期生だ。当時から彼の真摯な音楽性に注目してきたホールにとって、逞しく成長した帰還は大きな成果でもあるだろう。共演ピアニストには、アニメ『青のオーケストラ』の録音を機に信頼を深めてきた髙木竜馬を迎え、息の合ったアンサンブルを披露する。
特筆すべきは、1時間の枠に凝縮されたプログラムの濃密さだ。気軽なリサイタルにありがちな名曲小品集にとどまらず、モーツァルトとブラームスのソナタをそれぞれ全曲組み込んだ。ホールの母体でもある第一生命による「モーツァルト住家」修復30周年という節目にもちなんだ選曲だが、親しみやすい構成ながら音楽の深みに妥協なく触れられるプログラムとなっている。ヴァイオリンの艶やかな音色から超絶技巧まで、その魅力が詰め込まれた内容は、クラシック初心者から熱心なファンまで納得の聴き応えとなるだろう。
終演後にはアフタートークも開催。演奏直後の生の声に触れることで、今聴いたばかりの音楽の余韻がさらに深まり、二人の魅力をまた違った角度から味わうことができそうだ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2026年9月号より)
ごほうびクラシック 第18回
東 亮汰 ヴァイオリン・リサイタル 共演:髙木竜馬(ピアノ)
2026.10/12(月・祝)14:00 第一生命ホール
問 トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
https://www.triton-arts.net
