ARDミュンヘン国際音楽コンクール 弦楽四重奏部門でカルテット風雅が第3位入賞

 8月30日にスタートしたミュンヘン国際音楽コンクールは、弦楽四重奏部門の本選の審査が現地時間9月12日に行われ、カルテット風雅(ヴァイオリン:落合真子、小西健太郎/ヴィオラ:川邉宗一郎/チェロ:松谷壮一郎)が第3位に入賞した。優勝は、ベルリンを拠点とするヴィアトーレス・クァルテット。

◎ARDミュンヘン国際音楽コンクール 弦楽四重奏部門 最終結果
第1位 VIATORES QUARTET(ドイツ/イギリス/ポルトガル/トルコ)
第2位 該当なし
第3位 QUARTET FUGUE(日本)/KATARINA STRING QUARTET(カナダ/アメリカ)

聴衆賞・委嘱新作最優秀演奏賞 VIATORES QUARTET
※その他の特別賞は後日発表

 今年はファゴット、オルガン、打楽器、弦楽四重奏の4部門が実施された。弦楽四重奏部門には、カルテット風雅のほか、セミファイナルまで進出したクァルテット浬など、日本人奏者をメンバーに含むグループも複数参加した。審査員長は、2026/27シーズンからロサンゼルス・フィルのコンサートマスターに就任するヴィネタ・サレイカ。そのほか、エベーヌ弦楽四重奏団のピエール・コロンべ、活動を終えたハーゲン・クァルテットのヴェロニカ・ハーゲンらが審査員を務めた。

 本選では、ベートーヴェンまたはシューベルトの弦楽四重奏曲から1曲と、バルトークの弦楽四重奏曲1曲が課題となっていたが、3団体ともベートーヴェン&バルトークという対照的な2作を組み合わせ、それぞれの持ち味を生かした精度の高いアンサンブルを聴かせた。カルテット風雅は、バルトークの弦楽四重奏曲第5番に続いて、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調 op.127を演奏。前者では際立ったリズムの運動性と、時に神秘的な和声の響きを緊張感をもって聴かせる一方、後者では緩徐楽章の穏やかなカンタービレや、軽快なフィナーレが印象に残った。演奏後、会場からは惜しみない拍手が送られていた。

 カルテット風雅は2023年、いずれも2001年生まれの4人によって結成。プロジェクトQ・第22、23章に参加したほか、サントリーホール室内楽アカデミー第8期フェローに選ばれ、研鑽を積んできた。今年5月には、世界有数の弦楽四重奏コンクールのひとつである大阪国際室内楽コンクールの弦楽四重奏部門で、日本人団体として過去最高位となる第2位に入賞し、ボルドー弦楽四重奏フェスティバル賞も受賞。近年はイタリア・シエナのキジアーナ音楽院夏期アカデミーで学ぶとともに、ドイツやスペインなど欧州の音楽祭にも参加し、国内外で活動の場を広げている。この秋からは4人揃ってハノーファー音楽演劇メディア大学(HMTMH)の室内楽修士課程に進学し、優れた教育者でもあるクス・クァルテットのオリヴァー・ヴィレのもとでさらなる高みを目指す。

©Daniel Delang

 日本でも若い実力派が次々と台頭している弦楽四重奏の分野で、今回の入賞は新たな成果として大きな注目を集めそうだ。カルテット風雅は帰国後、9月23日に京都、25日に東京でリサイタルを開催。今回のコンクールでも演奏したハイドン、ベートーヴェン、バルトークなどを披露する。ミュンヘンでの成果を間近に確かめる、絶好の機会となるだろう。

写真提供:Internationaler Musikwettbewerb der ARD

【Information】
[カルテット風雅 今後の日本での公演]
2026.9/23(水)14:00 青山音楽記念館 バロックザール
https://barocksaal.com/schedule/11466/
2026.9/25(金)19:00 サントリーホール ブルーローズ(小)
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20260925_S_3.html

ハイドン:弦楽四重奏曲第74番 ト短調「騎士」
バルトーク:弦楽四重奏曲第5番
酒井健治:弦楽四重奏曲第2番「フローティング・パーティクル」
*第12回大阪国際室内楽コンクール委嘱作(公益財団法人 日本室内楽振興財団)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調

カルテット風雅
https://www.quartetfugue.com