名バリトン トーマス・ハンプソンを迎え、渾身のオール・マーラー・プロを披露

右:トーマス・ハンプソン ©Marshall Light Studio
エバーグリーンと聞くと、まずは航空会社を連想する方が多いだろうか。業界によっては海運物流を想起される方もおられるだろう。実はそれらはいずれも、エバーグリーン・グループ(長栄集団)という台湾の巨大企業に所属している。そして、同グループがオーケストラを有していることをご存知だろうか。エバーグリーン交響楽団(ESO)は、21世紀に入って産声を上げた、世界的にも珍しい民間財団所属のオーケストラ。昨年アーティスト・イン・レジデンスに就任したヤープ・ヴァン・ズヴェーデンと共に急速に発展を遂げつつあり、7月に日本公演を行う。
曲目はオール・マーラー。前半の「子供の魔法の角笛」(抜粋)では現代屈指のバリトン、トーマス・ハンプソンの登場に注目したい。若き日にバーンスタインに見出され、録音も残したハンプソンのマーラーを、円熟の境地にある歌で再び聴くことができる。
後半は交響曲第1番「巨人」。自然の風景、諧謔、激情が凝縮され、無尽蔵のエネルギーを要する大曲だ。ズヴェーデンは、2025年にシカゴ響とアムステルダムのマーラー・フェスティバルに招かれるなど、現代屈指のマーラー指揮者の一人。ESOは弦楽器の銘器の数々も擁しており、冒頭7オクターブで奏でられるA音から、その艶やかな響きにも期待が高まる。舞台を埋め尽くす大編成が炸裂させるパワーも強烈だろう。池袋と新潟が熱狂の渦に包まれそうだ。
文:平岡拓也
(ぶらあぼ2026年7月号より)
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指揮) エバーグリーン交響楽団
2026.7/21(火)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:テンポプリモ03-3524-1221
https://tempoprimo.co.jp
他公演
7/22(水) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館(BSNイベントダイヤル025-247-0900)
