白石光隆 ピアノリサイタル――卓越したセンスがつなぐ、即興性に満ちた名品たち

©Shouhei Yokoyama

 幅広いレパートリーと緻密な解釈で長年にわたり聴衆を魅了してきた白石光隆。クラシックからジャズまで自在に弾きこなす音楽性とそれを支える高度な技術を兼ね備えたピアニストが、今回も時代・国境・ジャンルを超える多彩なプログラムを披露する。

 リサイタルは、コルンゴルトがシェイクスピアの喜劇『空騒ぎ』のために書いた劇付随音楽からの抜粋によるピアノ小品で幕を開ける。続いて、ベートーヴェンが新たなピアノ・ソナタ創作へと踏み出した第13番、バッハのオルガンのための幻想曲をバチェスラフ・グリャズノフとミロシュ・ボクが華やかに再構築した編曲版が続く。さらにはコリリアーノの即興的な「ウィンギング イット」に、ブロドスキーによる映画音楽「ビー マイ ラヴ」(キース・ジャレット編)、ショパンの即興曲第3番とスケルツォ第2番が並ぶ。作曲家の時代もスタイルも大きく異なるが、即興性やドラマ性といった共通する世界観が全体を貫いている。白石が紡ぎ出す“音の物語”が東京オペラシティ リサイタルホールに響きわたるだろう。

文:長井進之介

(ぶらあぼ2026年8月号より)

白石光隆 ピアノリサイタル Vol.39
2026.9/18(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問 プロアルテムジケ03-3943-6677
https://www.proarte.jp


長井進之介 Shinnosuke Nagai

国立音楽大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学に交換留学。アンサンブルを中心にコンサートやレコーディングを行っており、2007年度〈柴田南雄音楽評論賞〉奨励賞受賞(史上最年少)を機に音楽ライターとして活動を開始。現在、群馬大学共同教育学部音楽教育講座非常勤講師、国立音楽大学大学院伴奏助手、インターネットラジオ「OTTAVA」プレゼンターも務める。
X(旧Twitter) https://x.com/Shinno1102
Instagram https://www.instagram.com/shinno_pf/