【CD】ハイドン:弦楽四重奏曲 第1番、第41番、第82番/クァルテット・アルモニコ

若手の旗手だった四重奏団も、昨年で結成30周年を迎えた。今回はハイドンが20代、40代、60代に書いた3曲の弦楽四重奏曲を収録。それぞれの年代の違いをほとんど意識させないほどに、このアンサンブルのカタチがしっかりと固まって、隙をまったくみせない和菓子を思わせる凜としたたたずまい。一体感と膨らみのある中低域に、ヴァイオリンがカーヴを滑らかに描く。なんといっても、その歌い口のエレガントなことよ。第82番のメヌエット楽章はスケルツォ風の活発極まりない主題をもっているのだが、こういうところまで優雅な色彩を添えるのを忘れない。

文:鈴木淳史

(ぶらあぼ2026年8月号より)

【information】
CD『ハイドン:弦楽四重奏曲 第1番、第41番、第82番/クァルテット・アルモニコ』

ハイドン:弦楽四重奏曲第1番、同第41番、同第82番

クァルテット・アルモニコ【菅谷早葉 生田絵美(以上ヴァイオリン) 阪本奈津子(ヴィオラ) 松本卓以(チェロ)】

妙音舎
MYCL-00076 ¥3410(税込)


鈴木淳史 Atsufumi Suzuki

雑文家/音楽批評。1970年山形県寒河江市生まれ。著書に『クラシック悪魔の辞典』『背徳のクラシック・ガイド』『愛と幻想のクラシック』『占いの力』(以上、洋泉社) 『「電車男」は誰なのか』(中央公論新社)『チラシで楽しむクラシック』(双葉社)『クラシックは斜めに聴け!』(青弓社)ほか。共著に『村上春樹の100曲』(立東舎)などがある。
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