ロッテルダム・フィルとの交響曲シリーズを重ねてきた首席指揮者ラハフ・シャニが、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を録音した。シャニの演奏は鮮烈で瑞々しい響きを持ちながらも、オーケストラを巧みにコントロールして、音楽に自然な流れと一体感をもたらす。名曲から過度なロマンティシズムを削ぎ落としつつ、ダイナミクスに柔軟性を持たせ、各楽章を丁寧に積み上げていき、作品に新たな光をあてる。カップリングにはオランダの作曲家ワーヘナールによる序曲「シラノ・ド・ベルジュラック」を選曲。こちらもドラマ性と活気にあふれる好演だ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2026年7月号より)
【information】
SACD『ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」他/ラハフ・シャニ&ロッテルダム・フィル』
ワーヘナール:序曲「シラノ・ド・ベルジュラック」/ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
ラハフ・シャニ(指揮)
ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
ワーナーミュージック・ジャパン
WPCS-13893 ¥3410(税込)

飯田有抄 Arisa Iida(クラシック音楽ファシリテーター)
音楽専門誌、書籍、楽譜、CD、コンサートプログラム、ウェブマガジン等に執筆、市民講座講師、音楽イベントの司会等に従事する。著書に「ブルクミュラー25の不思議〜なぜこんなにも愛されるのか」「クラシック音楽への招待 子どものための50のとびら」(音楽之友社)等がある。公益財団法人福田靖子賞基金理事。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Macquarie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。


