
1月29日、横浜みなとみらいホールが2026年度の自主事業ラインナップに関する記者発表会を行った。会見には同ホール館長の新井鷗子、プロデューサー2025-2027を務めるヴァイオリニストの石田泰尚らが出席した。
藤木大地、反田恭平の後を受け、2025年4月からプロデューサーを担う石田泰尚。任期2年目、最終年となる2026年度は、以下の5企画を展開する。
(1)石田泰尚プロデュース「サロン de ストリングス」
2026.5.27(水)、8/26(水)、10/21(水) 大ホール
(2)石田組 年末感謝祭 2026
2026.12/30(水)、12/31(木) 大ホール
(3)石田組オーケストラ ゲストソリスト 徳永二男
2027.2/27(土)、2/28(日) 大ホール
(4)石田泰尚×津田裕也
シューマン・ブラームス ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会
2027.3/21(日・祝) 大ホール
(5)弦楽合奏部応援プロジェクト
平日午後の室内楽シリーズ「サロン de ストリングス」。26年度は「石田組のシューベルティアーデ」をテーマとする。石田組メンバーが出演し、石田自身はナビゲーターとして出演者と聴きどころを紹介する。
石田「(今年度は)お客さんがいっぱい入ってくれて良かったです。まあ、僕が出れば、もっと入ってくれますけどね(会場笑)。来年度はコントラバスを入れたいなと思っていて、それでまず思い浮かんだのがシューベルトの『ます』で、じゃあもう全部シューベルトで行こう、みたいな感じで。それでテーマをシューベルトにしました」

「シューマン&ブラームス」で共演する津田裕也には全幅の信頼を置く。
「“津田先生”とは、以前にもベートーヴェンのソナタ全曲を1日でやってですね。今回はブラームスとシューマン。大変なプログラムしか依頼してないんです(笑)。お互いにやりたいことが良くわかるので、リハーサルでも言葉はいらなくて、すぐ終わっちゃいます。本当に心強いです」
2月には、石田が温めてきた企画「石田組オーケストラ」公演が控える。弦楽器パートは石田組メンバーが中心となり、ソリストには日本ヴァイオリン界の重鎮・徳永二男を迎える。
「プロデューサーを依頼された時に、すぐに思い浮かんだ企画です。自分が高校3年生の時、国立音楽大学の冬期講習で徳永先生に指導していただいて、それが一番最初の出会いですね。その時すごく衝撃を受けて、今でも尊敬しています」
プログラムには2人がソリストを務めるバッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲」のほか、横浜市出身の作曲家・ピアニストの加藤昌則による新作協奏曲、リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」が予定されている。
部活動として弦楽器を楽しむ中高生たちを対象に、石田が直接指導する企画「弦楽合奏部応援プロジェクト」。26年度は市内の高校、大学への訪問が予定されている。昨年の年末感謝祭では、学生たちの練習の成果を披露するステージが設けられたが、次年度の展開にも期待が高まる。

現代音楽、ピアノ、オルガン——
横浜みなとみらいホールでしか聴けない個性的な企画も
7月には、石田と同じく2025年度からホールコンポーザーを務める梅本佑利の新曲委嘱演奏会が行われる。テーマは「合唱」。「萌え²少女」や「スーパーバッハボーイ」をはじめ、伝統的な音楽と現代のデジタル表現を融合し、日本のアニメやオタクカルチャーから着想を得た作品を展開する梅本が、合唱を題材にどのような世界観を創り上げるのか。
気鋭の作曲家への新作委嘱と過去の委嘱作品の再演を続ける現代音楽シリーズ「Just Composed in Yokohama」。2026年度は、委嘱作曲家を選ぶ選定委員にヴァイオリニストの成田達輝が加わり、小出稚子(のりこ)が選ばれた。小出の新曲は27年3月、成田の出演する演奏会で披露される。
優秀な若手ピアニストの紹介を目的とし、40年以上続く「横浜市招待国際ピアノ演奏会」。26年度も、国際コンクールで活躍した国際色豊かな4人が選ばれた。日本からは、昨年のショパンコンクールでも注目を集めた中川優芽花が登場する(26.11/7)。
横浜みなとみらいホールといえば、大ホールのパイプオルガン(愛称:ルーシー)の演奏会も外せない。
2026年度の「オルガン・リサイタル・シリーズ」には、パリ・ノートルダム大聖堂のオルガニストを務めるなど世界的に活躍するオリヴィエ・ラトリーが登場(4/29)。バロックから現代、そして即興演奏と、充実のプログラムが予定されている。
若きスーパートランペッターとして注目を集める児玉隼人と、ジャンルレスな演奏活動を展開するオルガニスト山口綾規による「クリスマス・パイプオルガン・コンサート」も楽しみだ(12/22)。
100円または1ドルで気軽に聴ける30分の「オルガン・1ドルコンサート」、1時間たっぷり楽しみたい人向けの「オルガン・1アワーコンサート」の恒例企画も継続。
さらには、ユジャ・ワンのピアノ・リサイタル(6/10)、ベートーヴェンの没後200年を記念した神奈川フィル「第九演奏会」(27.3/19)など本格的なコンサートのほか、中学生プロデューサーが企画・運営に携わる「こどもの日コンサート」(5/5)、夏休み期間恒例の「みなとみらい遊音地」(8/6~8/9)など親子で楽しめる企画も揃う。
石田泰尚プロデューサーの“集大成”を軸に、横浜みなとみらいホールの2026年度は、クラシックの楽しみ方をさらに広げてくれそうだ。
写真・文:編集部
横浜みなとみらいホール
https://yokohama-minatomiraihall.jp

