マルタ・アルゲリッチが、25年ぶりに登場!
2026年、NHK交響楽団は100周年を迎える。1926年10月5日に新交響楽団の名称で結成、1951年から日本放送協会(NHK)の支援を受けることとなりNHK交響楽団と改称、以来日本を代表するオーケストラとしてクラシック界を牽引してきた。
10月6日、その記念すべき2026-27シーズン定期公演(2026年9月〜27年6月)&特別公演のプログラム(一部) とおもな記念事業が発表された。

まず2026年9月の開幕公演では、首席指揮者のファビオ・ルイージがN響100年特別企画としてフランツ・シュミットのオラトリオ「7つの封印の書」を披露する(2026.9/12, 9/13)。「20世紀で最も重要なオラトリオと言っても過言ではない傑作」とこだわりを持つ声楽つきの大作だ。27年1月には、カミラ・ニールンド、クラウス・フロリアン・フォークトというトップレベルの歌手を招いてのニューイヤーコンサート(2027.1/10, 1/11)に登場。また、歌劇《トスカ》(演奏会形式)も世界の一流歌劇場での経験豊富なルイージならではの企画だ(2026.10/10, 10/12)。他にも交響曲 第2番「復活」や交響曲 第9番などマーラーの大曲が目をひく。
また、99歳を迎えるヘルベルト・ブロムシュテット、前首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィ、毎年クオリティの高い演奏を披露しているトゥガン・ソヒエフ、25年11月に定期公演復帰するシャルル・デュトワなど、N響お馴染みの人気指揮者もラインナップ。
一方、初登場となるのは、マキシム・エメリャニチェフ、アントネッロ・マナコルダ、エリム・チャン、ケント・ナガノ、トーマス・グッガイスなど、欧州の一線で活躍する精鋭、ベテランたちが並ぶ。
ソリストでは、マルタ・アルゲリッチが2001年のヨーロッパツアー以来、25年ぶり3度目の共演を果たす(指揮はデュトワ)。他にもジェームズ・エーネス(vn)、アウグスティン・ハーデリヒ(vn)、キリル・ゲルシュタイン(p)、アレクサンドル・カントロフ(p)など錚々たる顔ぶれだ。
100年ならではの定期公演での特別企画として、2027年の没後100年に先駆けてベートーヴェンの交響曲全曲演奏がスタートする。指揮は、ルイージ、エッシェンバッハ、ソヒエフ、デュトワ、ヤノフスキ。
また、サントリーホールの改修工事に伴いBプログラムが開催されない月には、特別公演が予定されている。ブロムシュテット、エッシェンバッハ、2人の巨匠によるブラームスの交響曲全曲演奏(2026.10/30, 10/31)や、初演300年記念 トン・コープマン指揮「マタイ受難曲」(2027.2/20, 2/21)、そして27年4月から6月には、バレエ音楽の名作やN響メンバーがソロを務める東京芸術劇場シリーズ(計6公演)が行われる。
N響がかねてから築き上げてきた重厚な伝統のドイツ音楽、その音楽性に厚みを持たせたフランスや北欧の作品がプログラムの随所に彩りを放つ。さらに25年には、首席指揮者ファビオ・ルイージとともにマーラー・フェスティバルに参加、ヨーロッパツアーも成功させるなど、次の100年に向けた新たな旅が始まろうとしている。その第一歩となる特別なN響の1年は、目が離せないものになるだろう。
文:編集部
NHK交響楽団
https://www.nhkso.or.jp


