
右:沢木良子
20年以上にわたりウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ならびにウィーン国立歌劇場管弦楽団の首席を務めるワルター・アウアー。名実ともに世界最高峰のフルート奏者が3年ぶりに日経ミューズサロンに帰ってくる! 過去、インタビューで「プログラムを作ることは作曲することに似ている」と語っていたアウアーだが、今回もフルート・ファンにはたまらないプログラムが組まれている。
フランソワ・ボルヌが新たに改良したベーム式フルートのために書いた「カルメン・ファンタジー」は、サラサーテの同名曲に負けず劣らず超絶技巧のオンパレード。続いてシューベルトの「美しき水車小屋の娘」の中の〈しぼめる花〉のメロディを主題とした変奏曲、ジャズのリズムを取り入れたフランク・マルタンの「バラード」のあとは、プーランクとプロコフィエフのソナタを。どちらも20世紀におけるフルート・ソナタの傑作であり、名手アウアーと長年にわたり共演を重ねてきたピアニストの沢木良子のデュオで聴ける機会は逃せない。
文:原 典子
(ぶらあぼ2025年6月号より)
第559回日経ミューズサロン ワルター・アウアー フルート・リサイタル
2025.6/26(木)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
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