
右:関 朋岳 ©井村重人
コンサートホール、動物園、美術館、博物館……上野の森を歩くと、あらためてここが日本の文化的中心地だと実感する。そんな上野をお子さんと一緒に丸ごと楽しめる太っ腹な企画が「夏休み子ども音楽会2025《上野の森文化探検》」。小中学生1,100円、大人もリーズナブルな価格で、東京文化会館でのコンサートに加え、9つの文化施設の無料または割引入場券のついた「上野1dayパス」が利用できるのだ。
コンサートは1時間ながら、角田鋼亮が指揮する東京都交響楽団、さらに今年は2018年東京音楽コンクール弦楽部門第1位のヴァイオリニスト、関朋岳を迎えての盛りだくさんなプログラム。関は23年にバルトーク国際コンクール(ハンガリー)で第2位、24年にはハチャトゥリアン国際コンクール(アルメニア)で優勝を果たしており、今回演奏するラヴェルの「ツィガーヌ」は民族的な要素を含む作品であるだけに、とても楽しみだ。
そのほか、エルガー「愛の挨拶」、J.シュトラウスⅡ世「美しく青きドナウ」といったおなじみの名曲もありつつ、バーンスタインの「キャンディード」序曲のワクワクするような躍動感や、芥川也寸志の弦楽のための三楽章「トリプティーク」より第1楽章のカッコよさなど、子どもたちは曲を知らなくても釘づけになることだろう。シベリウスの交響詩「フィンランディア」ではオーケストラならではの壮大なスペクタクルを体験してもらいたい。
上野の森を歩き疲れたら「上野のれん会」の飲食店でひと休み。1dayパスがあればドリンクやデザートがサービスになりますよ。
文:原 典子
(ぶらあぼ2025年5月号より)
夏休み子ども音楽会2025 《上野の森文化探検》
2025.7/27(日)13:00 東京文化会館
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
https://www.t-bunka.jp

