Kバレエカンパニー『海賊』

左:SHOKO 右:遅沢佑介 ©言美歩
左:SHOKO 右:遅沢佑介 ©言美歩

ニーナ・アナニアシヴィリ ©N.Elisson
ニーナ・アナニアシヴィリ
©N.Elisson
 昨年創立15周年を迎えたKバレエカンパニー。そのクライマックスとして登場するのが、Kバレエの宝ともいうべき歴史的傑作『海賊』である。熊川版は、独創的な構成で従来版を改訂、海賊として生きる男たちの生き様と恋物語を鮮やかに描き出した勇壮な冒険活劇である。初めて観る人にもわかりやすいように物語の流れをよどみなく整理しながら踊りを刷新。熊川流のスパイスが効いた極上のエンタテインメントに仕上がっている。英国美術界の鬼才、ヨランダ・ソナベンドによる衣裳や装置の素晴らしさにも目を見張る。大海原を進む勇壮な海賊船や美しい浜辺の風景、一転して金とピンクで埋め尽くされた煌びやかなハーレムなど、場面ごとにガラリと転換。別世界へと誘ってくれる。
 今回ゲストとして出演するのはニーナ・アナニアシヴィリ(グルジア国立バレエ芸術監督兼プリンシパル)とSHOKO(ハンガリー国立バレエ団プリンシパル)。長身のふたりが踊るヒロイン、メドーラはさぞや見ごたえのあるものになるだろう。また、熊川版『海賊』は男性ダンサーの出番が多く、その迫力ある踊りも魅力のひとつ。海賊の首領コンラッドにはスチュアート・キャシディ、遅沢佑介、宮尾俊太郎らベテラン陣が、熊川版『海賊』のキーパーソンである忠実な奴隷アリには池本祥真、井澤諒、福田昂平ら若手が配役。ダイナミックな踊りを存分に楽しみたい。気分が高揚するスペクタクルに彩られたこの作品、一度は観ておくべきだ。
文:石村紀子
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年4月号から)

5/30(土)12:30 16:30
5/31(日)14:00
6/13(土)17:00
6/14(日)14:00 
Bunkamuraオーチャードホール
6/20(土)14:00 神奈川県民ホール 
※出演者は公演日によって異なります。下記ウェブサイトでご確認ください。
問:チケットスペース03-3234-9999 
  神奈川芸術協会045-453-5080(神奈川公演のみ)  
http://www.ints.co.jp