ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2025(以下LFJ)の記者会見が2月13日、東京国際フォーラムで行われ、LFJアーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンらが登壇した。

18回目の開催となる今年の会期は5月3日(土・祝)から5月5日(月・祝)まで。東京国際フォーラムをメイン会場とし、90の有料公演のほか、周辺地区での無料公演も多数予定されている。
テーマは「Mémoires(メモワール) ― 音楽の時空旅行」。マルタンはその背景について次のように語った。
「音楽の発展に多大な影響を与えた都市に焦点をあて、今回はヴェネツィア、ロンドン、ウィーン、パリ、ニューヨークの5つの都市をメインに取り上げます。経済的にとても豊かな力を持っている都市が、劇場やオーケストラ、オペラにヨーロッパ中の著名な音楽家や作曲家を招聘することで、文化と創造の地として確立しました。芸術の中心地に人々は引き寄せられますよね」

2025年のプログラムは、「時空旅行」の言葉通り、ヴェネツィアで活躍したヴィヴァルディからニューヨークのガーシュウィンまで、各都市を音楽史の流れとともに巡る構成となっている。その旅に誘ってくれるのは多彩なアーティストたちだ。海外勢では、アレクサンドル・クニャーゼフ(チェロ)やオリヴィエ・シャルリエ(ヴァイオリン)など世界的アーティストが出演し、そのほかチャイコフスキー国際コンクールの優勝者であるドミトリー・マスレエフ(ピアノ)やマルタンが「すばらしいピアニスト」と注目する新星、アリエル・ベックらが初登場。ベックはリオ・クオクマン指揮 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団とラヴェルのピアノ協奏曲 ト長調を共演するほか、室内楽公演やソロリサイタルにも出演する。
日本勢では北村朋幹、小林愛実、福間洸太朗(以上ピアノ)、山根一仁(ヴァイオリン)、田原綾子(ヴィオラ)といった、国内外で活躍するアーティストたちが名を連ねる。さらに五十嵐薫子、阪田知樹などの若手ピアニストやジャズ・ピアノの山中千尋らも初登場。山中はファイナル・コンサートでガーシュウィンのピアノ協奏曲 へ調を演奏する(共演:ケンショウ・ワタナベ指揮 東京フィルハーモニー交響楽団)。
そして、毎年恒例の0歳から楽しめる子ども向けの公演やマスタークラス(事前予約制)に加え、新たに弦楽器体感イベント「LFJ STRINGS EXPO(ストリングス エキスポ)」の試みも。本企画では楽器を製作する職人・工房にスポットをあて、様々な弦楽器(ヴァイオリン・チェロ・ギターなど)が一堂に会し、演奏を聴くだけではなく、実際に見たり触れたりして五感で体感できる貴重な機会となる。
マルタンは世界のクラシック・シーンにおける東京のあり方を以下のように見据える。
「今後、アジアの都市は重要な役割を果たすのではと思っています。初開催の2005年から20年東京に来ていますが、才能ある日本の若手アーティストたちが次々と花開いている。将来的には東京も音楽史の中で欠かせない都市として位置づけられることでしょう」
文・写真:編集部
【Information】
ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2025
2025.5/3(土・祝)〜5/5(月・祝)
東京国際フォーラム、大手町・丸の内・有楽町、東京駅、京橋、銀座、八重洲、日比谷、みなとみらい
チケット/
抽選先行販売:2/15(土)11:00~
先着先行販売:3/1(土)11:00~
一般発売:3/15(土)10:00~
https://www.lfj.jp/lfj_2025