新年の幕開けを、心踊るウィーン伝統の調べとともに
19世紀の息吹を感じさせる、まさにウィーン気質に満ちたウィンナ・ワルツに酔いしれたい。しかもその演奏は、あでやか、つややか、華やかであって欲しい──。
ならば、古き良き時代のウィーンに愛情を抱いているヴァイオリニスト、篠崎“MARO”史紀の出番だ。MARO/マロは近年、ワルツ王ヨハン・シュトラウスⅡ世の絵画よろしくヴァイオリンを手に指揮者として現れ、東京フィルハーモニー交響楽団とファン憧れのウィンナ・ワルツやポルカに興じている。

2026年も開演に遅れなきよう。今も存在するアン・デア・ウィーン劇場で1905年に初演されたレハールの名作《メリーウィドウ》より、第1幕幕切れの音楽から創られた「バルシレーネン・ワルツ」が演奏されるのだ。“さあ踊ろうよ、舞踏会のセイレーン/妖精たち(Oh kommt,Ihr Ballsirenen)”の調べから編まれた「バルシレーネン・ワルツ」は《メリーウィドウ》のいいところをすべて織り込んだ魅惑のオーケストラ作品で、あの夢見るようなワルツ「唇は黙しても」の調べも舞う。さて篠崎“MARO”史紀と東京フィルは、どんな演出で私たちを魅了するだろうか。

ウィンナ・ワルツの創始者ヨーゼフ・ランナーのモーツァルト愛に満ちあふれた「モーツァルト党」は聴いてびっくりの名曲。マロの勝負曲のひとつだ。ヨハン・シュトラウスⅡ世の2歳下の弟で、兄以上に才能があったといわれるヨーゼフ・シュトラウスの逸品「うわごと」も選ばれている。ワルツ王の名刺曲も続く。選曲、演奏、トークすべてを楽しみに出かけたいものである。
文:奥田佳道

篠崎“MARO”史紀のニューイヤーコンサート2026
2026.1/18(日)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
♪出演
ヴァイオリン・指揮・トーク:篠崎史紀
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
♪曲目
レハール:《メリーウィドウ》より「バルシレーネン・ワルツ」
ランナー:モーツァルト党
モーツァルト:2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネよりアレグロ・スピリトーソ
スッペ:喜歌劇《詩人と農夫》より序曲
ヨーゼフ・シュトラウス:鍛冶屋のポルカ、ワルツ「うわごと」
J.シュトラウスⅡ世:ポルカ「観光列車」、ワルツ「南国のバラ」、トリッチ・トラッチ・ポルカ、ワルツ「美しく青きドナウ」
問:サンライズプロモーション東京0570-00-3337
https://www.promax.co.jp/maro-newyear2026/


