
都民に芸術や伝統芸能を身近に感じてもらおうと1968年に始まった「都民芸術フェスティバル」が、今年度から音楽と舞台芸術に特化した「都民音楽フェスティバル」として、装いも新たに再スタートする。期間は2026年1月から3月までの3ヵ月間。東京芸術劇場で開かれるオーケストラ・シリーズには読響、東京シティ・フィル、N響、東京フィル、日本フィル、都響、東響、新日本フィルの在京8団体が出演。若手からベテランまで、現在日本の音楽界の第一線で活躍する指揮者がそれぞれ得意の名曲を聴かせてくれる。東京文化会館小ホールでは、日本歌曲の演奏会と室内楽シリーズを開催。こちらも、ピアノの阪田知樹をはじめとする注目度抜群のアーティストが登場する。オペラでは東京二期会が英国ロイヤル・オペラ・ハウスとの提携公演である《カヴァレリア・ルスティカーナ》《道化師》を東京文化会館大ホールで上演。そしてバレエは、東京シティ・バレエ団、牧阿佐美バレヱ団、日本バレエ協会の3団体が華を競う。また、子ども向けには2月に「子どもたちと芸術家の出あう街」と題して東京芸術劇場でオーケストラの演奏会とワークショップが開かれるほか、日野市、狛江市、多摩市、江東区で参加型の「ふれあいこどもまつり」も行われる。

本格的なクラシックコンサートから家族でも気軽に参加できるワークショップまで、多彩な内容のラインナップで、東京という文化都市の「今」を伝えるフェスティバルになりそうだ。
文:室田尚子
(ぶらあぼ2025年12月号より)

2026都民音楽フェスティバル ~音楽がつなぐ芸術の祭典~
2026.1/9(金)〜3/21(土) 東京芸術劇場、東京文化会館 他
問:東京芸術劇場03-5391-2116
https://tomin-fes.com
※フェスティバルの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。

室田尚子 Naoko Murota
東京藝術大学大学院修士課程(音楽学)修了。東京科学大学・昭和音楽大学非常勤講師。NHK-FM「オペラ・ファンタスティカ」レギュラー・パーソナリティ。オペラを中心にアーティストのインタビューや演奏会の紹介記事、エッセイなどを手がけるほか、ミュージカル、ロック、少女漫画などのジャンルでも執筆活動を行なっている。著書に『オペラの館がお待ちかね』(清流出版)、共著に『ヴィジュアル系の時代 ロック・化粧・ジェンダー』(青弓社)など。

