
オーケストラの低音域を支え、人間の声で言えばバリトンに最も近いとされるチェロ。しかし、実際の演奏を聴くと、より幅広い音域を持っていることがわかる。それが12人の奏者によって演奏される時、さらに豊かな響きの世界が展開される。世界トップのオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者で構成される「ベルリンフィル12人のチェリストたち」は結成から50年を超え、世界中を魅了している。
日本公演は7年ぶり。結成のきっかけとなったクレンゲル「讃歌」、ドヴォルザーク、ドビュッシーなどのクラシック名曲のアレンジはもちろん、J.ウィリアムズの『シンドラーのリスト』メインテーマ、バーンスタインの『ウェスト・サイド・ストーリー』など映画の名曲、そしてピアソラや日本民謡(三枝成彰編)も含む楽しいラインナップ。オーケストラの1セクションとして弾く時とは違う彼らの生き生きとした姿を見るのも楽しみだ。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2025年3月号より)
ベルリンフィル12人のチェリストたち 結成50周年記念公演
2025.7/13(日)14:00 サントリーホール
2/28(金)発売
問:日経公演事務局03-5227-4227
https://art.nikkei.com

