ヤマハは名器ストラディバリウスをモデルとした、アコースティックヴァイオリンの上位モデル「Artida(アルティーダ)」を2004年に発売し、広い層でのニーズに応えてきたが、さらに高度な設計技術を結集した新モデル「YVN500S」を発売した。ヤマハ社独自の木材改質技術「A.R.E.(Acousutic Resonance Enhancement)技術」を用いているのが大きな特徴で、長期間を経た木材の経年変化同様の変化をヴァイオリンの表板、裏板、横板にとり入れることにより、長年弾き込まれた歴史的名器を思わせる、深みのある音の伸びとサウンドを実現している。5月に銀座のヤマハホールで開かれた発表会では、若手ヴァイオリニストの三浦文彰が「YVN500S」を試弾。「ガヴォット」(バッハ)や「中国の太鼓」(クライスラー)を演奏したあとに、この新しい楽器について次にようにコメントした。
「この楽器を約1ヵ月間弾かせていただいていますが、ずいぶんと音が変わってきていて、大きな可能性を感じています。音色の明るさや音が飛んでいく感じがいい。できたてほやほや感でなくて、まるで古い楽器が鳴っているような印象があります」
また、三浦の師であり、ヤマハのヴァイオリンのアドバイザーである徳永二男も「演奏家が求める“心の表現”に応えてくれるのが名器だと思いますが、その意味でも『YVN500S』にはとても満足しています。今後もチャンスがあれば弾いていきたい」と語った。
「Artida『YVN500S』」の価格は1,680,000円(税込)。
問:ヤマハ国内営業本部 管弦打学校営業部 弦楽器営業グループ03-5488-1690 HP