バイエルン国立歌劇場の記者会見

 今年9月の来日公演に先立ち、バイエルン国立歌劇場総裁ニコラウス・バッハラーと同歌劇場音楽監督ケント・ナガノが出席し、6月6日に都内のホテルで記者会見が開催された。
 バッハラーは開口一番、「すべてのスタッフとチームが来日に賛同し、日本公演の実現を嬉しく思っている」と語り「この3月に日本に悲劇(東日本大震災)が起きましたが、公演は予定通りに行い日本との関係を保っていきたいと思います。この苦悩の時期に我々の連帯感を示すことができるのは貴重なことと感じています。ドイツでの日本についての情報は過激なものもあり、スタッフを安心させるには努力が必要でした」。演目について「シュトラウスとワーグナーの傑作《ナクソス島のアリアドネ》と《ローエングリン》は我々の歌劇場にとってもっとも大切な作品。どちらもプロダクションとしても素晴らしいもので、この2作に加えて人気歌手のエディタ・グルベローヴァが主演する《ロベルト・デヴェリュー》も上演いたします。これらのオペラは日本とドイツの友好のシンボルとなるものです。過去の公演以上に多くの人に観てもらいたい」と語り、主要歌手たちについても「今回、日本に来る前に1人ひとりに確認しましたが、いまのところ誰もキャンセルしていない」と述べた。
 一方のケント・ナガノは「今回の演目は日本の現状に照らし合わせることができる作品。《アリアドネ》のテーマは、“友情”こそが(金などで買えない)もっとも尊い感情であることを示しています。だからこそ来日公演にふさわしいと思うのです。《ローエングリン》では、不可能なことに対する打開策を求める人間が描かれていますが、違う視点から見ることで困難な問題も解決できるという希望をもたらしてくれる作品」であり「私は日本人の震災後への姿勢に対して尊敬の念を感じています」と述べた。また「シュトラウスとワーグナーは我々の歌劇場の伝統と深く結びついた作曲家であり、ミュンヘンに多大な影響を与えた、いわばパイオニア的な作曲家」とコメントした。

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