主にクラシックの音楽活動を対象に、演奏者の意欲、素質、将来性に重きを置き、若い音楽家を顕彰している出光音楽賞の第21回受賞者の3名が決定した。受賞者にはそれぞれ賞状と賞金300万円が贈られる。年内には授賞式と受賞者による「出光音楽賞受賞者ガラ・コンサート」が開催され、この模様はテレビ朝日系列で全国放送される予定。受賞者のプロフィールは以下のとおり。(五十音順/年齢は2010年12月31日現在)
◎片岡リサ(箏/32歳)
大阪音楽大学卒業、同大学専攻科修了。幼少より箏・三絃を始め、日箏連全国箏曲コンクール一般の部第1位、宮城道雄記念コンクール一般の部第1位、2002年度大阪舞台芸術奨励賞、箏奏者として初めて出演した東京オペラシティ「B→C」公演の成果により10年度の大阪文化祭賞を受賞。オーケストラをはじめ洋楽器とのアンサンブルや現代作品にも力を入れている。また、歌唱にも定評があり、箏曲の古典「地歌」だけではなくベルカント唱法での弾き歌いも行う。現在、大阪音楽大学、同志社女子大学、兵庫教育大学講師、宮城社師範。
◎南紫音(ヴァイオリン/21歳)
2005年のロン=ティボー国際音楽コンクールにおいて第2位を受賞し、一躍国際的な注目を集め、08年はユニバーサルミュージックよりCDデビューも果たす。これまでに篠崎永育、篠崎美樹、西和田ゆうの各氏に師事、現在、原田幸一郎氏に師事し桐朋学園大学在学中。04年にイタリア・ナポリで行われた第13回アルベルト・クルチ国際ヴァイオリン・コンクールで15歳にして優勝。翌年イタリア・デビューを果たす。これまでに国内の主要オーケストラとの共演のほか、09年にはフォンホ・メナ(指揮)スペイン・ビルバオ交響楽団との日本ツアーを行い好評を博した。06年福岡文化賞、10年第11回ホテルオークラ賞を受賞。
◎山田和樹(指揮/31歳)
東京芸術大学指揮科を卒業。指揮法を松尾葉子と小林研一郎の両氏に師事。在学中に同学生有志によるオーケストラ、横浜シンフォニエッタを結成。2009年、第51回ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝、併せて聴衆賞も受賞する。現在、NHK交響楽団副指揮者、横浜シンフォニエッタ音楽監督、オーケストラ・アンサンブル金沢ミュージック・パートナー、東京混声合唱団レジデンシャル・コンダクター。ローム・ミュージック・ファンデーション在外音楽研究生としてベルリンに在住。12/13シーズンより、スイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者へ就任予定。今後、BBC交響楽団、バーミンガム市交響楽団、フィルハーモニア管弦楽団、ロイヤル・ストックホルム・フィル、フランクフルト放送交響楽団などの欧州主要オーケストラや国内主要オーケストラを指揮する予定。