1年の締めくくりは次世代を担う若き才能の共演で
大晦日の楽しみといえばジルベスターコンサート。今年も「MUZAジルベスターコンサート」がフレッシュなソリストたちを招いて開催される。指揮は名匠、秋山和慶。東京交響楽団のメンバーを中心としたMUZAジルベスター管弦楽団を率いる。
プログラムはバラエティに富む。アルチュニアンのトランペット協奏曲では、14歳の児玉隼人がソロを務める。小学6年生でヤマハホールでリサイタルを開き、2022年の大阪国際音楽コンクールでは中学生ながら一般部門で第1位を獲得するなど、将来を嘱望される逸材だ。
ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」では、若手ジャズ・ピアニスト、小沢咲希がソロを担う。小沢は洗足学園音楽大学ジャズコース在学中より演奏活動を行い、卒業後もさまざまなミュージシャンとのライブを精力的にくりひろげる気鋭。今回はベースの井上陽介、ドラムスの高橋信之介とのトリオ編成で名曲に挑む。
シベリウスのヴァイオリン協奏曲では、今もっとも注目される若手のひとり、中野りなのソロが聴きもの。2022年の仙台国際音楽コンクールにおいて史上最年少の17歳で優勝するなど輝かしい受賞歴を誇り、すでに主要オーケストラとの共演も多い新星だ。清新なシベリウスを披露してくれることだろう。
プログラムのおしまいはシベリウスの交響詩「フィンランディア」。輝かしい希望の音楽で一年を締めくくる。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2023年12月号より)
2023.12/31(日)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
https://www.kawasaki-sym-hall.jp