長野市芸術館 開館記念プレイベント 久石譲 × 新日本フィルハーモニー交響楽団

長野に響く“久石サウンド”

久石 譲

久石 譲

 2016年春にオープン予定の長野市芸術館。その開館プレイベントとして、同館芸術監督の久石譲がホクト文化ホールで新日本フィルハーモニー交響楽団を指揮する。作曲家として活躍する一方、近年はクラシック音楽の指揮者として舞台に立つ機会も多い久石が、自作とベートーヴェンの「英雄」を披露するとあって、大いに注目を浴びそうだ。
 久石の自作は2曲が演奏される。1曲はピアノと弦楽オーケストラのための新作*。いまだだれも耳にしていない作品を最初に聴けるのだから、ファンにとってはこれほどワクワクできる体験もない。
 もう1曲は、バラライカ、バヤン、ギターと小オーケストラのための「風立ちぬ」第2組曲。映画「風立ちぬ」は言わずと知れた2013年公開の宮崎駿監督作品だが、そのサウンドトラックを演奏会用に再構築したのがこの組曲である。バヤンとはロシアのアコーディオン型の民族楽器のこと。生のオーケストラとコンサートホールが生み出す自然な響きは、映画館で聴くサウンドとはひとあじ違った味わいをもたらしてくれることだろう。
 ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」では、久石と新日本フィルとのあうんの呼吸が、この記念碑的名作の魅力を存分に伝えてくれることを期待したい。久石の多才が長野の音楽界に新時代の到来を告げる。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年10月号から)

10/12(日)16:00 
ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)
問:長野市文化芸術振興財団026-219-3100
*都合により「弦楽オーケストラのための《螺旋》」に変更される場合もあり