12月18日、「明るい未来を願って」と題された音楽会が開催される。ソリストとして、またオーケストラのコンサートマスターとしても活躍、日本を代表するヴァイオリニストのひとり、大谷康子が率いるクワトロ・ピアチェーリによる特別演奏会だ。音楽の楽しさ、演奏する喜びを伝えたいという思いからイタリア語で「喜び、楽しみ」という意味の「ピアチェーレ」をグループ名に掲げ2005年に結成。古典から現代音楽まで、幅広いレパートリーによる演奏活動を続けている。今回はオリジナルメンバーの百武由紀(ヴィオラ)、苅田雅治(チェロ)に加えゲストとして、木野雅之(ヴァイオリン)と佐藤卓史(ピアノ)が参加する。
公演は2部構成で前半は、「今この時に」をテーマに、シュルホフの弦楽四重奏曲より、ショスタコーヴィチの「五つの小品」、弦楽四重奏曲第8番 op.110「ファシズムと戦争の犠牲者の想い出に」という構成。後半は「未来へ」がテーマ。スコリックの「メロディー」、ドヴォルザークのピアノ五重奏曲第2番 op.81。ミロスラフ・スコリックは、1938年、ウクライナのリヴィウ(当時はポーランド)生まれの作曲家で2020年にキーウにて逝去。ピアノ、管弦楽、オペラ、映画音楽など多くの作品を残した。なかでも今回取り上げる「メロディー」は“ウクライナの精神的アンセム”とも呼ばれ、悲しくも美しい旋律が胸に迫る代表作。2022年のウィーン・フィル・シェーンブルン夏の夜のコンサートでも演奏されている。
2022年も暮れに差し掛かるが、侵攻の終わりは未だに見えていない。経験豊かな音楽家たちが平和への願いを込めて演奏する音楽に、私たちは今、何を思うだろう。
クワトロ・ピアチェーリ特別演奏会 ~明るい未来を願って~
2022.12/18(日)14:00 市川市文化会館(小)
出演
大谷康子(ヴァイオリン)、百武由紀(ヴィオラ)、苅田雅治(チェロ)
【ゲスト出演】
木野雅之(ヴァイオリン)、佐藤卓史(ピアノ)
プログラム
第1部 今この時に
シュルホフ/弦楽四重奏曲より
ショスタコーヴィチ/「五つの小品」、弦楽四重奏曲第8番 op.110「ファシズムと戦争の犠牲者の想い出に」
第2部 未来へ
スコリック/メロディー
ドヴォルザーク/ピアノ五重奏曲第2番 op.81
問:市川市文化振興財団(市川市文化会館)047-379-5111
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