来日中のレイ・チェンが記者懇親会に登場!

  11月21日、オーストラリア大使館で来日中のヴァイオリニスト、レイ・チェンを招いての記者懇親会が行われた。今回の来日ではNHK交響楽団との共演や、コロナ禍を経て2年越しとなるリサイタルが予定されている。
 冒頭の挨拶で
 「8歳の時、長野オリンピックの開幕祝賀コンサートの演奏で来日して以来、日本に魅了されており、来日するといつも何か置いて帰りたいと感じる。今回も日本の皆さんと音楽を分かち合いたいです」
と日本への想いを語った。

 最初に行われるN響との共演では、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調(11/23、11/24ほか)を披露する。10歳頃まで学んでいたスズキ・メソードの最後のカリキュラムで取り組んだ曲で、現在も愛着を持って弾いているという。
 「本当に大好きな曲。純粋にこの曲が大好きで弾いていた、当時の気持ちを今でも思い出します」
 一方リサイタルは、ベートーヴェン、ストラヴィンスキー 、J.S.バッハ、ブラームス、サラサーテとバラエティに富んでいる。
 「対比をテーマにプログラムを組みました。前半は古典的な作りでピアノが主導する作品、後半はバッハの無伴奏作品を含むヴァイオリン主導の作品で、飽きさせないプログラムを用意しています」
と選曲の意図を語った。

 使用する楽器は、昨年日本音楽財団から貸与されかつてヤッシャ・ハイフェッツも弾いていた1714年製ストラディヴァリウス「ドルフィン」。この楽器について
 「とても強い個性がある楽器で、抵抗がありつつも、寄り添ってくれる一面も持ち合わせている。音の力強さが特徴的で、自分の力量を試されているようにも感じます」
とコメント。
 懇親会では、バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番」プレリュードのほか、母国オーストラリアの民謡が披露された。

 最近ではSNSでの発信のほか、アプリ開発、楽器ケースのデザイン、他ジャンルのアーティストとのコラボレーションなど幅広い活動をしているレイ・チェン。新しい時代を感じさせるアーティストのパフォーマンスに注目したい。

レイ・チェン ヴァイオリン・リサイタル 2022
2022.11/30(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール


ヴァイオリン:レイ・チェン
ピアノ:フリオ・エリザルデ

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 op.30
ストラヴィンスキー(ドゥシキン編):バレエ音楽「妖精の口づけ」よりディヴェルティメント
Ⅰ.シンフォニア
Ⅱ.スイスの踊り
Ⅲ.スケルツォ
Ⅳ.パ・ド・ドゥ
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV1006
ブラームス:ハンガリー舞曲 第7番(ヨアヒム編)、第17番(クライスラー編)
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン op.20

問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212
https://www.japanarts.co.jp

NHK交響楽団 第1970回 定期公演 Bプログラム
11/23(水・祝)、11/24(木) 各日19:00 サントリーホール


指揮:レナード・スラットキン
ヴァイオリン:レイ・チェン

ヴォーン・ウィリアムズ:「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番 ニ長調

問:N響ガイド 03-5793-8161
https://www.nhkso.or.jp

他公演
11/26(土)16:00 NHK大阪ホール(06-6947-5000)
11/27(日)16:00 福岡シンフォニーホール(092-725-9112)