パデレフスキ国際ピアノコンクール 優勝はマテウシュ・クシジョフスキ

 ポーランド北西部のビドゴシチで開催されていた第12回パデレフスキ国際ピアノコンクールは、現地時間11月19日にファイナルの日程が終了、地元ポーランドのマテウシュ・クシジョフスキ Mateusz Krzyżowski が優勝した。アジア勢で唯一ファイナリストに選出されていた奥井紫麻(しお)は名誉賞(Honourable mention)を受賞した。
 審査委員長を務めるピオトル・パレチニは体調不良のためファイナルの審査を欠席し、副審査委員長のヴァネッサ・ラターシュが最終結果を発表。審査員は他に、ラファウ・ブレハッチ、ダン・タイ・ソン、小川典子ほか。特別賞などその他の賞については20日に行われるセレモニーで発表される。

Mateusz Krzyżowski 提供:International Paderewski Piano Competition Bydgoszcz

◎第12回パデレフスキ国際ピアノコンクール
第1位 マテウス・クシジョフスキ / Mateusz Krzyżowski(ポーランド)
第2位 ペドロ・ロペス・サラス / Pedro López Salas(スペイン)
第3位 ダニロ・サイエンコ / Danylo Saienko(ウクライナ)
名誉賞 奥井紫麻 / Shio Okui(日本)
    ピオトル・パヴラック / Piotr Pawlak(ポーランド)

 優勝したクシジョフスキは、1999年生まれ。現在ワルシャワ・ショパン音楽大学でヨアンナ・ワヴリノヴィチ氏に師事している。国内外のコンクールで頭角を現し、昨年の第18回ショパン国際ピアノコンクールではセミファイナリストとなっている。ノアン(フランス)、ドゥシニキ(ポーランド)のショパン音楽祭などに参加。今年6月に都内で開催された「ショパン・フェスティバル2022 in 表参道」では、リサイタルをおこなっている。ファイナルでは高度な技巧が求められるシマノフスキの協奏交響曲(交響曲第4番)を演奏し、栄冠に輝いた。

Shio Okui 提供:International Paderewski Piano Competition Bydgoszcz

 奥井は2004年生まれ。8歳でオーケストラと初共演、12歳でゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管と共演するなど幼少期から活躍。15歳にしてベルリン・フィルハーモニー、ウィーン・ムジークフェラインなどでデビューを飾っている。2018年よりモスクワのグネーシン特別音楽学校でタチアナ・ゼリクマンに師事。2019年には、ウラディーミル・スピヴァコフ率いるモスクワ・ヴィルトゥオージのヨーロッパ・ツアーにソリストとして参加するなど、世界を舞台に活躍している。ファイナルでは、繊細なタッチでショパンのピアノ協奏曲第2番を詩情豊かに演奏。会場から大きな拍手を浴びていた。

International Paderewski Piano Competition Bydgoszcz
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