小澤征爾がオーストリア音楽劇場国際文化交流特別賞を受賞

 オーストリアのグラーフェネックで9月13日に開催されたオーストリア音楽劇場賞(Österreichischer Musiktheaterpreis)授賞式で、2002年から10年までウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めた小澤征爾が、その多大な貢献に対し、国際文化交流特別賞(Internationales Kulturengagement)を授与された。同賞は、オーストリア主要メディアのジャーナリストたちが審査に当たり、国内のオペラハウスや劇場、音楽祭などを顕彰するもので、今年で10回目を迎える。

© 大窪道治/OMF

 ヴォルケントゥルム・グラーフェネックで行われた授賞式では、ウィーン・フィル副団長のアレクサンダー・シュタインベルガーが小澤の代わりに賞を受け取った。

 今年は、ウィーン国立歌劇場が最優秀オペラ作品賞(《炎の天使》)、最優秀演出家賞(アンドレア・ブレト《炎の天使》)など6部門で受賞。最優秀主演賞(女性)には《マクベス》のアンナ・ネトレプコ(マクベス夫人)、同(男性)には《パルジファル》のゲオルク・ツェッペンフェルト(グルネマンツ)がそれぞれ選ばれた。また、カラヤンに重用されたことでも知られるソプラノのグンドゥラ・ヤノヴィッツが、生涯功労特別賞(Sonderpreis „Lebenswerk“)を、メゾソプラノのエリーナ・ガランチャが国際メディア特別賞(Sonderpreis „Internationaler Medienpreis“)を受賞した。

小澤征爾のメッセージ

 このような賞に選ばれたことを大変光栄に思います。オーストリアでは、ウィーン・フィルの仲間たちと 50 年以上一緒に音楽を作り続けてきました。特に、ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めた2002年から2010年は、数々のオペラ公演やオーケストラコンサートを共にしてきました。この経験は指揮者としての私の人生を豊かにしてくれました。
 現在は、その経験と知識を、若い音楽家に伝えています。サイトウ・キネン・オーケストラの仲間たちと共に、2つの室内楽アカデミーと、オペラを教育の題材とする小澤征爾音楽塾を通じて、国内外の多くの若手音楽家の育成と指導に努めています。
 この賞を、私の活動を長年サポートしてくださっているサイトウ・キネン・オーケストラの仲間たちと、塾生の皆さんと分かち合いたいです。
 どうもありがとうございました。

小澤征爾

Österreichischer Musiktheaterpreis
https://www.musiktheaterpreis.at