ラトヴィア放送合唱団 & 新日本フィルハーモニー交響楽団

古今の祈りの音楽を集めて

 1940年に創設されたラトヴィア放送合唱団は、現在、ヨーロッパでもトップクラスのプロフェッショナルの室内合唱団として知られている。オーボエ奏者で指揮者・作曲家でもあるハインツ・ホリガーが「世界一の合唱団」と称賛していることは、特筆に値するだろう。古い時代から現代作品までをカバーするレパートリーの広さ、メンバー一人ひとりの能力の高さからくる表現力の豊かさは世界中で絶賛されており、これまでにザルツブルク音楽祭、モンペリエ音楽祭をはじめとする世界各地の多数の音楽祭に参加。また前述のホリガーのほか、ムーティ、サロネンなど名だたる指揮者との共演もある。日本では2017年に初めて公演を行い、その2年後には二度目の来日を果たしている。

 10月22日のコンサートは前回と同様、すみだトリフォニーホールでの公演で、音楽監督であるシグヴァルズ・クラーヴァが指揮をとる。J.S.バッハのモテットで幕を開けた後は、難曲として知られるリゲティ「ルクス・エテルナ」。続いてラトヴィアの作曲家ヴァスクスの作品。そしてメインにはモーツァルトの「レクイエム」が置かれている。神に捧げるために始まった人間の「声」による音楽の、古今の名曲がプログラムされており、まさに合唱音楽の真髄を味わえる演奏会といえるだろう。また今回は新日本フィルハーモニー交響楽団が共演するのも非常に楽しみだ。
文:室田尚子
(ぶらあぼ2022年9月号より)

202210/22(土)15:00 すみだトリフォニーホール
問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212 
https://www.triphony.com