国際音楽祭NIPPON 2026の記者会見が開催
芸術監督 諏訪内晶子が見どころを語る

左より:諏訪内晶子、辻本 玲、秋元孝介 ©️松尾淳一郎

 国際音楽祭NIPPON 2026の記者会見が都内で行われ、芸術監督の諏訪内晶子、チェリストの辻本玲、ピアニストの秋元孝介らが登壇した。
 この音楽祭は、「感動を紡ぐ」「心をつなぐ」「未来を創る」をコンセプトに、2013年に始まり今回で9回目を迎える。会期は2026年2月10日〜3月3日、横浜、東海市、名古屋、久慈、石巻の5都市で全6企画・11公演が開催される。今回は、国内外から選りすぐりのアーティストで結成されたフェスティヴァル・オーケストラによる公演、「CLASSIC」と「MODERN」2つのプログラムがある室内楽プロジェクト、そしてフォーレの室内楽にフォーカスしたマラソンコンサートの3つを柱に、ミュージアム・コンサートやマスタークラスなど充実のラインナップとなっている。
 今回の室内楽プロジェクトでは、「中欧の旅」と題し、従来のレパートリーから視点を広げ、中央ヨーロッパの多彩な音楽文化に光を当て、ドヴォルザークやヤナーチェク、マルティヌーなどの作品が選曲されている。

 芸術監督の諏訪内は、第9回を迎える喜びと感謝とともに以下のように述べた。
「この音楽祭の大きな柱の一つが、教育プログラムです。過去にマスタークラスを受講した若い音楽家たちが数年を経て、今度は演奏家としてこの音楽祭の舞台に戻ってきてくれるようになりました。 その姿を見るたびに、音楽祭が一度きりのイベントではなく、人を育て、時間をかけて実を結ぶ存在になりつつあることを実感しています。次の世代へ音楽が受け継がれていく、その瞬間に立ち会えることは、私たちにとって何よりの喜びです」

トークセッション ©️松尾淳一郎

 また、トークセッションに登場した辻本と秋元は、音楽祭の魅力、そして諏訪内との共演について語った。

辻本玲(チェロ)
「この音楽祭の一番の魅力は、諏訪内さんの演奏を間近で聴けることだと思います。僕は音色をとても大事にしているのですが、諏訪内さんの音は本当に圧倒的で、初めて聴いたときに強い衝撃を受けました。その音楽づくりを近くで体験できることを、とても楽しみにしています。
 室内楽では、諏訪内さんがトップラインを弾かれた瞬間に、音楽の風景が自然と立ち上がってくる。無理に色づけをしなくても、情景が浮かび上がるところが魅力に感じています」

秋元孝介(ピアノ)
「この音楽祭のように多様なバックグラウンドを持つ演奏家が集まる場では、普段とは違うアイディアや発見が生まれます。何度も演奏してきた作品でも新鮮な気持ちで向き合うことができ、その試行錯誤こそが、僕にとって何より充実した時間です。
 また、辻本さんが『風景が見える』とおっしゃっていましたが、諏訪内さんの呼吸から次の音やフレーズが自然と伝わってきて、同じ空気を共有しているような感覚があり、ご一緒していてとても楽しいです」

取材・文:編集部

国際音楽祭NIPPON 2026

サッシャ・ゲッツェル指揮 国際音楽祭NIPPONフェスティヴァル・オーケストラ
2026.2/10(火)19:00 東海市芸術劇場
2/11(水・祝)17:00 横浜みなとみらいホール

室内楽プロジェクト Akiko Plays CLASSIC & MODERN with Friends~中欧の旅
2/25(水)19:00 東海市芸術劇場 ※「SELECTION」
2/26(木)19:00 横浜みなとみらいホール(小)
2/28(土)14:00 横浜みなとみらいホール

フォーレ室内楽全曲マラソンコンサート
3/1(日)[第1部]11:00 [第2部]14:00 [第3部]16:00 [第4部]19:00
横浜みなとみらいホール

問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 
https://www.japanarts.co.jp
※音楽祭の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。