4つの楽団で描く“シンフォニスト”シューベルトの全貌
夭折の天才フランツ・シューベルトが遺した8つの交響曲を軸に、4つの在阪オーケストラが“競演”する刺激的なコンサート・シリーズ「シューベルト交響曲全曲演奏会」(全4回)が9月、住友生命いずみホールで開かれる。ベルリンを拠点として国際的に活躍する山田和樹のタクトのもと、上演機会の少ない作品を含めた全交響曲を、彩り豊かな秀演で集中して味わえる、贅沢かつ貴重な機会だ。
第1回「開かれた扉」は、関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、第1番と第7番「未完成」に、未完のホ長調交響曲から第1楽章を。第2回「奔流」では、大阪交響楽団が第2番・第6番と第4番「悲劇的」を披露。第3回「異界のしらべ」では、日本センチュリー交響楽団が第3番・第5番に《アルフォンゾとエストレッラ》序曲とイタリア風序曲、第4回「永遠の高みへ」では、大阪フィルハーモニー交響楽団が第8番「ザ・グレイト」とヴァイオリン小協奏曲(独奏:小林美樹)を演奏する。
シューベルトの交響曲について「いつかまとめて演奏する機会があれば、と思っていた」と山田。「この企画の面白さは、4つのオーケストラと共演できること。“シューベルト観”という共通性を持たせるよりも、楽団ごとの持ち味が生きるようなアプローチをしたい」と話す。開演20分前からは、山田と、プログラミングを担当したホール音楽アドバイザー堀朋平とのプレトークも。また、堀や佐藤卓史(ピアノ)らによるレクチャー・コンサート(9/11)も開催される。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2022年9月号より)
2022.9/8(木)19:00 関西フィルハーモニー管弦楽団
9/9(金)19:00 大阪交響楽団
9/10(土)16:00 日本センチュリー交響楽団
9/12(月)19:00 大阪フィルハーモニー交響楽団
大阪/住友生命いずみホール
問:住友生命いずみホールチケットセンター06-6944-1188
https://www.izumihall.jp