人気ギタリスト4人が多彩なデュオ作品でみせる新たな伝説
日本のクラシック・ギター界を牽引している4人、荘村清志、福田進一、鈴木大介、大萩康司がトッパンホールに集まって、コンサートを開催する。多忙な4人が集まるということ自体がすごいことだが、それぞれのソロを披露するのではなく、演奏曲目がほぼすべてデュオ(二重奏)であるという点も驚きだ。
プログラムは、コアなギター音楽のファンでもワクワクするような多彩さ。バロック時代のヴィヴァルディ、古典派時代のカルリに始まり、メンデルスゾーン、フォーレと19世紀の作曲家もあり、タレガ、アルベニス、ポンセ、カステルヌオーヴォ゠テデスコなどクラシック・ギターのメイン・レパートリーも。さらにはピアソラ、武満徹、ジャン=マリー・レイモン、ローラン・ディアンスなど現代の作品までを網羅する。こんなに変化に富んだラインナップを展開できるのは、世界広しと言えども、この4人だけなのではないだろうか。
そして、そのデュオの組み合わせも興味深い。荘村・福田というベテラン同士もあれば、鈴木・大萩という中堅のデュオもあり、もちろん別の組み合わせもある。それぞれのデュオの味わいの違いと、作品の個性の違いが、幾重にも重なる。チラシには「おとなの休日」とあるが、ギター音楽の大きな要素のひとつであるアンサンブルの魅力を、まさに「おとなの余裕」で楽しませてくれるに違いない。ギターにぴったりと思われるトッパンホールの響きの中で、また新たな伝説が生まれる。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2022年6月号より)
2022.6/25(土)17:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
https://www.toppanhall.com