第9回 野島稔・よこすかピアノコンクール 入賞者決定!
東京藝術大学1年の本堂竣哉が優勝

 第9回野島稔・よこすかピアノコンクールの本選が、5月22日に横須賀芸術劇場で行われ、 入賞者が発表された。第1位は東京藝術大学1年在学中の本堂竣哉。賞金(60万円)および副賞として、よこすか芸術劇場の大劇場で開催される優勝者記念リサイタルへの出演機会が贈られる。

左より:東誠三(審査委員)、梅津時比古(審査委員長代行)、北原義嗣(3位)、本堂竣哉(1位)、
橋本崚平(2位)、伊藤恵(審査委員)、上野真(審査委員)

 同コンクールは、世界的ピアニストで教育者としても知られた野島稔氏により2006年に創設。ピアニストの登竜門として隔年で開催されてきた。コロナ禍を経て4年ぶりの開催となった今年は、日本全国から120名がエントリーし、第1次と第2次予選を経て、8名が本選に出場。第1次予選直前の5月9日、審査委員長を務める予定だった野島氏の逝去により、梅津時比古審査委員を委員長代行として開催された。
 また、期間中は過去最高の延べ1400名以上が会場を訪れ、今年新設された「聴衆賞」に多くの来場者が投票した。同賞は東京藝術大学3年在学中の荒川浩毅が受賞。ベートーヴェンのソナタ第18番を演奏した第2次予選では、演奏後に会場中が大きな拍手に包まれていた。

第9回 野島 稔・よこすかピアノコンクール 審査結果
第1位  本堂竣哉(東京藝術大学1年)
第2位  橋本崚平(東京藝術大学4年)
第3位  北原義嗣(国立音楽大学大学院2年)
聴衆賞 荒川浩毅(東京藝術大学3年)*第2次予選と本選のW受賞

左上:本堂竣哉 右上:橋本崚平 左下:北原義嗣 右下:荒川浩毅
写真提供:横須賀芸術文化財団

梅津審査委員長代行による総評
 このコンクールは個性を大切にしています。それが最も出るのが、第2次予選の課題曲ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全楽章演奏です。全楽章を演奏することで、演奏家の全てが出るからです。今回、個性的な音楽を奏でる参加者がたくさんいました。個性とはいろいろなことを学び、にじみ出るもので、作るものではありません。そういったことを大事にして今後の演奏につなげてください。
 そして、心の内に耳を傾けている演奏が多かったです。これは、野島先生が常々おっしゃっていたことで、我々に残してくれた大切なことです。それが浸透してきたと思います。独特の位置を占めるこのコンクールを参加者も聴衆も大きく理解がなされ、大きな花が開いた印象を受けました。

横須賀芸術文化財団 
https://www.yokosuka-arts.or.jp