「こども音楽フェスティバル」開催迫る！
ママパパの顔を持つ音楽家がフェスの魅力を教えます
Part III 小泉詠子

こどもを対象とした世界最大級の音楽祭「こども音楽フェスティバル」が、いよいよゴールデンウィークに初開催！ 公式アンバサダー・配信総合パーソナリティを務める清塚信也さんのインタビュー（5月号）に続き、ご自身もまさに子育て真っ最中の出演者3人がご登場。ラストは、もうすぐ4歳になる息子さんがいらっしゃるメゾソプラノの小泉詠子さん。こどもたちにとってクラシック音楽と出会うことの大切さを語っていただきました。

取材・文：飯田有抄

——こどもたちがクラシック音楽に出会い、楽しむことの大切さは、どんなところにあるのでしょう。
　クラシック音楽は、こどもの脳をリラックスさせ、健やかな成長を促してくれるそうですね。

——一流アーティストの演奏を、サントリーホールのような音楽ホールで聴く経験は、こどもたちの成長にどんな影響があると思われますか？
　現代は電子音響技術を用いた音楽も普及していますが、スピーカーを通さないアナログの演奏がホールで響いている感覚は、何にも代え難いと思います。サントリーホールは、いつも私の憧れのホールです。演奏者にとってもお客さまにとっても良質で幸せな空間ですね。

——今回のフェスティバルも無料ライブ配信もなされます。音楽のオンライン配信には、どんな良いところがあると思いますか？
　遠方にお住まいの方々にも楽しんでもらえますし、「楽しむことを諦めなくていい」という良さもあります。音楽の楽しさ、美しさ、面白さが、画面を通じて…または画面から飛びだして、お子さんたちの胸に響くよう、頑張って歌い、演じたいと思います。

——ご自身のお子さんとの音楽にまつわるエピソードを教えてください。
　もうすぐ4歳の息子は「トルコ行進曲」が一番のお気に入り。どちらかというと、ゆったりした曲よりアップテンポの曲が好きなようで、最近はショパンのエチュード「黒鍵」でノリノリになっています。ただ、お歌に関しては、親が歌うオペラや声楽曲よりも、NHKのお兄さん・お姉さんが歌う歌のほうが好き。どんな一流歌手のCDを聴かせても泣いてしまいます。何故でしょう（笑）？

——ご自身は子育てのご経験を経て、音楽家としての生き方や考え方に変化はありましたか？
　出産する前は、産後も同じように音楽活動できるのか、不安がありましたが「案ずるより産むが易し」！ 時間を無駄なく使う工夫をすれば、影響はありませんでした。気持ちの面では、周りの人への感謝の思いが強くなりました。育児中も信頼して演奏を依頼してくださる方、お客さま、一緒に音楽を紡いでくれる共演者の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

——こどもたちが本格的な演奏に触れられる「こども音楽フェスティバル」は、お子さんだけでなく、ご家族にとっても魅力がありそうですね。
　こどもたちは、本能的に「本物（＝良いもの）」を見抜く能力が備わっているように思います。こども音楽フェスティバルで、「本物」の音楽に触れることは、お子さんの感受性をより豊かにするでしょう。
　また、何百年も演奏し続けられているクラシック音楽には、やはり普遍的な魅力があり、人間の本能に訴えかけるものがあると思います。親御さんはもちろん、おじいちゃんおばあちゃんがご存知の曲もあると思いますので、ご家族での話題や、コミュニケーションにも役立つと思います。
　聴きどころ、見どころをいっぱい用意してお待ちしています！

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小泉さんの出演公演

【Profile】
小泉詠子　Eiko Koizumi
東京藝術大学大学院博士課程修了、博士号取得。二期会オペラ研修所修了後、渡伊。二期会《ファウストの劫罰》マルグリート、《リゴレット》（A.バッティストーニ指揮）、日生劇場《ルサルカ》、同およびサイトウ・キネン・フェスティバル松本《ヘンゼルとグレーテル》ヘンゼル等多くのオペラに出演。近年では、二期会《ノルマ》アダルジーザ、新国立劇場《魔笛》侍女II等に出演。コンサートでも、ヘンデル「メサイア」、モーツァルト「レクイエム」、ブルックナー「ミサ曲 へ短調」等で好評を博している。二期会会員。

【Information】 配信あり
こども音楽フェスティバル
2022.5/4（水・祝）〜5/7（土） サントリーホール およびアーク・カラヤン広場等 周辺施設
問：サントリーホールチケットセンター0570-55-0017
　　ソニー音楽財団03-3515-5261
https://www.kofes.jp

清塚信也（こども音楽フェスティバル公式アンバサダー・配信総合パーソナリティ）

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