オペラ・ガラコンサート & 歌曲・ガラコンサート

総勢18名の歌い手が登場する贅沢な1日

 人の声が持つ力の大きさと、多彩さが実感できることだろう。浜離宮朝日ホールを舞台に1日にして開かれる、ピアニストの朴令鈴の企画・音音(おとね)工房主催による2つの個性的な「ガラコンサート」。どちらも各方面で活躍する実力派ソリストたちが登場し、たおやかな美声で、とっておきの名曲を披露してくれる。

 午後1時半開演の昼のステージ「オペラ・ガラコンサート 令和に翔け!」には、普段からオペラの檜舞台で活躍する10人の若手ソリストが出演。昨年開かれた第89回日本音楽コンクールの声楽部門を制したバリトンの小林啓倫による、レオンカヴァッロ《道化師》から〈プロローグ〉など、まずは各々がソロ曲を歌うほか、ヴェルディ《リゴレット》から〈美しい恋の乙女よ〉(四重唱)や同《ドン・カルロ》から〈友情の二重唱〉など、複数の歌手での“競演”も。声楽の伴奏ピアニストとしても高い評価を受ける朴が共演する。

 一方、午後7時開演の夜のステージは、「歌曲・ガラコンサート〜世界の国からこんばんは〜」と題して。ソプラノの佐竹由美がアメリカのバーバー〈ノクターン〉、同じく全詠玉が韓国のアンジョンジュン〈アリアリラン〉、アルトの小川明子がシューベルトの〈魔王〉、バリトンのヴィタリ・ユシュマノフがロシアのラフマニノフ〈夢〉を歌うなど、数多くの公演で名唱を披露している8人のソリストたちが、8ヵ国の作曲家たちによる、彩り豊かな名歌曲を披露。共演のピアノは、鳥井俊之(韓国歌曲のみ朴)が務める。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2021年12月号より)

オペラ・ガラコンサート 令和に翔け! 
2021.12/18(土)13:30
歌曲・ガラコンサート 〜世界の国からこんばんは〜 
2021.12/18(土)19:00
浜離宮朝日ホール
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