名曲&名演で子どもたちに励ましを!
リニューアル・オープンしたサントリーホールに、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の潑剌とした演奏が響く。指揮はもちろん音楽監督の井上道義だが、コンサートは、小児がんと戦いながら毎日を送っている子どもたちと、それを支えているご家族のために行われるチャリティー公演なのだ。ユニークなアヒルのCMでおなじみ、「アフラック」の主催によるこのコンサートは、音楽を楽しんで社会をサポートするという有意義なもの。
演奏されるのはモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」。井上とOEKの得意とする曲であり、生き生きとした演奏を聴かせてくれるのは間違いない。音楽の中から湧き出てくる生命感はモーツァルトの魅力そのものであり、同時に生きる喜びや希望を共有できるだろう。
さらにはもう1曲、フランスの作曲家ドビュッシーが子どもたちのために書いたバレエ音楽「おもちゃ箱」も演奏される。この曲、知らないからと敬遠してしまうのはもったいない面白さなのだ。舞台はおもちゃ箱の中。主役となるのは道化師、少女、兵士という3体の人形たち。警官や水夫、ピエロなどさまざまなキャラクターも登場する。彼らに命を吹き込むのは、井上によるユニークな語りと演出。同じ指揮者とオーケストラによる前回の公演に接したときは、オーケストラの楽員も芝居に加わって盛り上げていたため、今回も期待大だ。充実した音楽を楽しみ、子どもたちに思いをはせるひとときを。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ 2017年7月号から)
2017.9/12(火)19:00 サントリーホール
問:カジモト・イープラス0570-06-9960
http://www.kajimotomusic.com/