群響×高崎芸術劇場の《トスカ》は沼尻竜典&粟國淳の黄金コンビで

左上より:左より:沼尻竜典 ©Ayane Shindo/粟國 淳/佐藤康子
シュテファン・ポップ ©Simon Pauly/上江隼人

 群馬交響楽団と高崎芸術劇場がタッグを組む「GTシンフォニック・コンサート」は、年間6回シリーズで演奏会を提供するが、近年ことに好評なのが、2023年からのオペラ公演。この2月にはビゼー《カルメン》で大好評を博したばかりだが、その勢いを駆って、来る6月には、名古屋フィル&神奈川フィルとの協力公演として、プッチーニの《トスカ》をセミ・ステージ形式で上演。第1幕には児童合唱も出るなど大掛かりなオペラだが、ベテラン指揮者の沼尻竜典と演出家・粟國淳のコンビがどのように舞台を繰り広げるか、いまから大きな話題を呼んでいる。

 《トスカ》といえば3名の主役勢が全員命を落とすという究極の悲劇オペラ。また、サスペンス映画のように、「音で全部説明する」造りなので、悲鳴も喘ぎも砲声も銃声も、甘い囁きも静かなすすり泣きも、全ては観客の心を「ドキッとさせ」、物語がスリリングに展開する。

 主人公トスカは歌姫で、恋人カヴァラドッシが政治犯として逮捕された際、警視総監スカルピアに「お前の身体と引き換えになら命を救おう」と迫られる。それを泣く泣く承知したトスカだが、テーブル・ナイフを目にした途端、怒り爆発で警視総監を刺殺。しかし恋人は助からず、トスカは最後に城壁から身を投げるのだ。今回はドラマティックなソプラノ佐藤康子とルーマニア出身の名テノール、シュテファン・ポップが恋人同士になり、逞しく熱い声音を誇るバリトン上江隼人がスカルピア。丁々発止の歌試合をどうぞお楽しみに!

文:岸 純信(オペラ研究家)

(ぶらあぼ2026年5月号より)

GTシンフォニック・コンサートvol.2 プッチーニ オペラ《トスカ》(セミ・ステージ形式)
2026.6/6(土)16:00 高崎芸術劇場
問:高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900 
https://takasaki-foundation.or.jp/theatre/

他公演
2026.6/12(金)、6/13(土) 愛知県芸術劇場 コンサートホール(名フィル・チケットガイド052-339-5666)
6/20(土) 横浜みなとみらいホール(神奈川フィル・チケットサービス045-226-5107)


岸 純信 Suminobu Kishi

オペラ研究家。『ぶらあぼ』ほか音楽雑誌&公演プログラムに寄稿、CD&DVD解説多数。NHK Eテレ『らららクラシック』、NHK-FM『オペラファンタスティカ』に出演多し。著書『オペラは手ごわい』(春秋社)、『オペラのひみつ』(メイツ出版)、訳書『ワーグナーとロッシーニ』『作曲家ビュッセル回想録』『歌の女神と学者たち 上巻』(八千代出版)など。大阪大学非常勤講師(オペラ史)。新国立劇場オペラ専門委員など歴任。