【SACD】A Milestone in My Organ Life/山田由希子

 松本市音楽文化ホールのホールオルガニスト山田由希子が、38年間使われ続けてきたパイプオルガンのオーバーホールを目前に収録したドイツ・ロマン派の作品集。リストの「バッハの名による前奏曲とフーガ」では、凛とした発音の切れ味、輝かしさと深みに満ちた音色を響かせる。ブラームス最晩年の「11のコラール」では心に染み入るような音楽作りが胸を打つ。リストの愛弟子で夭逝したロイプケの大曲オルガン・ソナタでは、3121本のパイプが持つ多彩な音色と重厚な響きを存分に駆使し、作品の壮大な物語性と人間の喜怒哀楽を鮮烈に描き切る。録音も出色の仕上がりだ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2026年4月号より)

【information】
CD『A Milestone in My Organ Life/山田由希子』

メンデルスゾーン:前奏曲とフーガより第1番/シューマン:ペダル・フリューゲルのための練習曲集より「心を込めて」/リスト:バッハの名による前奏曲とフーガ/ブラームス:11のコラール前奏曲より/ロイプケ:オルガン・ソナタ「詩篇第94篇」 他

山田由希子(オルガン)

オクタヴィア・レコード
OVCL-00913 ¥3850(税込)


飯田有抄 Arisa Iida(クラシック音楽ファシリテーター)

音楽専門誌、書籍、楽譜、CD、コンサートプログラム、ウェブマガジン等に執筆、市民講座講師、音楽イベントの司会等に従事する。著書に「ブルクミュラー25の不思議〜なぜこんなにも愛されるのか」「クラシック音楽への招待 子どものための50のとびら」(音楽之友社)等がある。公益財団法人福田靖子賞基金理事。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Macquarie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。