世界の俊英が集うPMFオーケストラ、音楽祭の集大成となる東京公演へ

 毎年恒例のPMFオーケストラ東京公演が、今年も7月27日に開催される。サントリーホール開館40周年記念参加公演でもあり、ホールのムードも含めて例年にも増して華やかな舞台となりそうだ。

 世界中からオーディションで選ばれた、優秀な若手奏者たちによるPMFオーケストラを今年率いるのは、PMF初登場となるアメリカの名匠デイヴィッド・ロバートソンである。アンサンブル・アンテルコンタンポランやセントルイス交響楽団の音楽監督を歴任。指導者としてはジュリアード音楽院の指揮科主任教授および名誉客員教授など、教育や指導の方面でも重要な存在で、PMFにはうってつけのマエストロである。

デイヴィッド・ロバートソン ©Chris Lee

 今回用意されたプログラムは、ベートーヴェンの名曲をストラヴィンスキーとプロコフィエフで挟むという、ロバートソンらしい知的かつ刺激的な組み合わせの3曲。ストラヴィンスキーは新古典主義の作風による「管楽器のためのシンフォニーズ(1947年版)」。そこから繋がるのはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。ソリストは昨年のパガニーニ国際コンクール第2位受賞、まだ20代前半ながらすでに欧州でも活躍する吉本梨乃。オーケストラ共々、フレッシュで清新なベートーヴェンを体験させてくれそうだ。

吉本梨乃 ©藤田啓二

 そしてプロコフィエフは交響曲第5番。20世紀の傑作シンフォニーであり、オーケストラの機能性と音楽性が要求される楽曲で、ロバートソンのタクトで聴けるのはうれしい。さらに、このプログラムは札幌でも2回演奏するが、東京公演には札幌で演奏に加わっていたPMF教授陣はいないのが恒例で、東京でこそ若者たちの進化ぶりがより明らかになる。その力量と意気込みが融合するプロコフィエフ、大いに期待したい。

文:林 昌英


パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌 2026

2026.7/7(火)~7/27(月)

PMFオーケストラ東京公演
2026.7/27(月)19:00 サントリーホール

出演
デイヴィッド・ロバートソン(指揮)
吉本梨乃(ヴァイオリン)*
PMFオーケストラ

曲目
ストラヴィンスキー:管楽器のためのシンフォニーズ(1947年版)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61*
プロコフィエフ:交響曲 第5番 変ロ長調 作品100

他公演
ピクニックコンサート<レナード・バーンスタイン・メモリアル・コンサート>
7/25(土)12:00 札幌芸術の森・野外ステージ
PMF GALAコンサート
7/26(日)14:00 札幌コンサートホール Kitara

問:PMF組織委員会011-242-2211
https://www.pmf.or.jp

※プログラム、出演者は公演により異なります。詳細は上記ウェブサイトからご確認ください。


林 昌英 Masahide Hayashi

出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。