山根弥生子が1983年にLPでリリースした『ショパン 4つのバラード』が、DXDリマスタリングを経てCDで復刻された。使用楽器はベーゼンドルファー・インペリアル。中低音の対旋律を豊かに響かせながら、高音域の主旋律を歌心豊かに、ときに鬼気迫るエネルギーをもって立体的に描き出していく。ライナーノーツには、今年2月に山根が綴った言葉も収められた。リリース当時、LPかCD(前年に登場したばかりの新メディア)かで迷いつつ、後者を選ばなかったことを後悔したと結ばれているが、40年の時を経て、深みのある高音質で蘇ったことは大きな喜びである。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2026年6月号より)

飯田有抄 Arisa Iida(クラシック音楽ファシリテーター)
音楽専門誌、書籍、楽譜、CD、コンサートプログラム、ウェブマガジン等に執筆、市民講座講師、音楽イベントの司会等に従事する。著書に「ブルクミュラー25の不思議〜なぜこんなにも愛されるのか」「クラシック音楽への招待 子どものための50のとびら」(音楽之友社)等がある。公益財団法人福田靖子賞基金理事。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Macquarie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。


