パガニーニとミュンヘンの両国際コンクールを制覇したファン・ビンが、モウ・チェンユーのピアノと共に、管弦楽法の巨匠2人のヴァイオリン・ソナタを録音。硬質で芯のある豊かな音、濃密で途切れないカンタービレ、安定した技巧とたしかな構築力、いずれも出色のもの。シュトラウスでの引き締まったロマンと歌が実にすばらしく、思わぬ内面性や陰も感じられ、結尾の高揚は立派で輝かしい。名品の新たな魅力を知る思い。第一次大戦期に書かれ、どこかノスタルジックなレスピーギの佳品は、両者の思索的な持ち味も相まって心動かされる。聴きごたえ十分の好アルバム。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2026年4月号より)
【information】
CD『R.シュトラウス&レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ/黄滨(ファン・ビン)&毛翔宇(モウ・チェンユー)』
R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ/レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ
黄滨(ヴァイオリン)
毛翔宇(ピアノ)
コジマ録音
ALM-9290 ¥3300(税込)

林 昌英 Masahide Hayashi
出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。



