200年近い歴史を持つ名門ケルン・ギュルツェニヒ管がフィンランドの名匠サカリ・オラモと来日

左:サカリ・オラモ ©Benjamin Ealovega/右:諏訪内晶子 ©TAKAKI KUMADA

 1827年に設立されたドイツのオーケストラ、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団が3年ぶりに来日する。ブラームスやマーラーの作品を初演した歴史を誇る同楽団は、毎シーズン約50回の公演を開きながら、ケルン歌劇場のオーケストラとしても年間約160公演を行っている。コンサートとオペラの両面で幅広いレパートリーに取り組む柔軟性の高いオーケストラだ。

 今回、指揮台に立つのはフィンランド出身のサカリ・オラモ。バーミンガム市響音楽監督他のポストを歴任し、現在はBBC響首席指揮者、ロイヤル・ストックホルム・フィル桂冠指揮者、フィンランド放送響名誉指揮者を務める名指揮者である。オラモによれば、このオーケストラは多国籍集団であるにもかかわらず、ドイツの伝統的な音色を持っているという。そんなオーケストラの特色を生かすべく、プログラムにはドイツ・オーストリア音楽の名曲が集められた。ベートーヴェンの交響曲第7番またはマーラーの交響曲第5番をメインプログラムに、諏訪内晶子、藤田真央による協奏曲が組み合わされて、サントリーホールと横浜みなとみらいホールで計3公演が開かれる。

 2月12日、サントリーホールの公演では、ウェーバーの歌劇《オベロン》序曲、諏訪内独奏によるブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番、ベートーヴェンの交響曲第7番が演奏される。諏訪内とオラモがブルッフの雄大な楽想を余すところなく伝えてくれるにちがいない。オラモはこのオーケストラを「大きな室内楽団のよう」と表現し、反応の俊敏さを称賛している。ベートーヴェンでその真価が発揮されるはずだ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2024年12月号より)

サカリ・オラモ(指揮) ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
諏訪内晶子出演公演 
2025.2/12(水)19:00 サントリーホール
問:ジャパンアーツぴあ0570-00-1212 
https://www.japanarts.co.jp

他公演 
2025.2/11(火・祝) 大阪/ザ・シンフォニーホール(06-6453-2333)
2/15(土) 豊田市コンサートホール(0565-35-8200)
※来日ツアーの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。