すべての楽器が対象のアカデミー!
ヴァイオリニスト白井圭と一緒に音楽を考える濃密な時間

第3回 鵠沼音楽アカデミー 受講生&サポーター募集中!

横のつながりを失った現代の文化芸術に疑問を感じ、自信を持って自己を表現しにくい世の中を目の当たりにしたとき、

今ある教育機関のその先に、充実した人生を過ごすために有用な学びを提供する

そんな学校があったら素敵だなと考えました
音楽の専門知識だけでなく、絵画や建築など西洋音楽に必要な知識に加え、日本の古典芸能などを取り上げる機会もつくりたい

そして社会をより良くしてくれる若者が巣立っていく場になってほしいと願っています

白井圭

 2023年にヴァイオリニストの白井圭が地元・藤沢市でスタートした鵠沼音楽アカデミーが、来春早くも第3回を迎えようとしている。このアカデミーは、すべての楽器を対象にしていて、実際、これまでにフルート、クラリネット、ピアノ奏者も受講している。選考は学歴を問わず名前も伏せ、白井本人による音源審査のみ。楽器の弾き方ではなく「音楽をともに学ぶ」アカデミーで、講師を務める白井自身もアンサンブルに加わって一緒に演奏し、作品の最善の姿を探究していく。現在、受講生を募集中。自らの経験から「意外と自分の楽器を専門としない先生に言われたことが、強く印象に残っているということも多々あるので、木管、金管、ピアノ、歌の人もぜひ応募してほしい」という。

 日程は、まず2月16日(日)にこれまでの受講生と白井によるオープニングコンサートで幕を開け、2月26日(水)~3月1日(土)の4日間は、リハーサル、聴講、自主練によるアカデミーがあり(朝10時から22時までその場で過ごす受講生たちも!)、最終3月2日(日)に修了コンサートが行われる。

 昨年はフルート奏者で教育者でもある有田正広を招いて、初の公開特別講座「演奏家のための音楽修辞学」を開催した。修辞学は、弁論や説得の技法や法則などを追求する学問分野で、その歴史は古く古代ギリシャや古代ローマまで遡る。そこから音楽の表現方法として生まれた音楽修辞学は、バッハやハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンらが生きていた時代には当たり前の知識であり語法であった。白井は、「クラシック音楽の偉大な作曲家が持っていた感覚を学び感じとるために、有用かつ重要な知識を身につけることで、今まで接していた作品に、新たな視点で取り組むことができる可能性を得ることができる」とこの講座の意義を語る。

 講師を務める有田も、

「音楽作品を演奏するための幾つかの条件の中に音楽修辞学があります。それを学ぶ事で、音符の裏に潜む作曲家のイメージ、意思、メッセージを読み解くことが出来ます。謂わば、音楽修辞学は音楽の中枢に位置する大切な『生きた理論』の一つ。ここから具体的な表現方法を見つけ、実践することが目的です」

とコメントを寄せている。

 そして次回のテーマは、「ロマン派音楽の演奏(仮)」。

「私たちの一般的な理解において、ロマン派の音楽は市民革命以降、19世紀に入ってからの思想を元にしていると捉えていますが、否!ロマンティシズムは既に17世紀に端を発しています。そう考えるとテンポルバート、ポルタメント等々のいかにもロマン派と言われる演奏スタイルには、どのような基本理論があったのかが見えてくるのです!」

講師を務める有田正広さん

 前回は会場での受講と配信(有料)とで行われ、5時間半という長さであったが、プロの音楽家も来場したり、配信と合わせて110人が聴講する注目度の高い講座となった。終了後、受講生に話を聞くと「今までと考え方が大きく変わりそう。すぐに演奏して試してみたいです!」と長丁場の疲れも見せず、目を輝かせていた。

 前回参加した受講生の声を紹介したい。

「圭さん(受講生は白井のことを「先生」ではなく「圭さん」と呼んでいる)から溢れる音、数えきれないアイディアは、音楽の捉え方が変わる大きなきっかけとなりました」

「今回の経験をお守りに、これから様々なことに向き合い、広く芸術を見ることを目指し、成長してまたいつかご一緒したいです」

 また受講生と同時にこのアカデミーを応援する「サポーター」も募集している。そこには「経済的な事情から一歩を踏み出せないような若い音楽家にも一様にチャンスをあげたい」という想いがある。一口5,000円から寄付を募り、受講生の交通費、食事や宿泊補助などに役立てている。

 サポーターには、限定公開の動画やライブ配信の案内、スペシャル応援イベントの優先予約や割引などさまざまな特典が用意されている。

「このような熱心な気持ちのこもったアカデミーに心を打たれます」

「イベントや限定の配信もあり、サポーターになってよかった!また来年も入ります!」

と熱いメッセージが寄せられている。

 また、今週末10月5日(土)には、同じく藤沢のリラホールで行われる「湘南コンサートの会10月例会」において、第2回参加者と白井との再共演が予定されている。このコンサートについて白井は、

「若い人たちにとって演奏の場があるのはとても重要。このように市民音楽団体が間接的にアカデミーの支援をしてくれるのもとてもありがたいことです」

と語っている。

 スペシャル応援イベントは、去る9月16日には白井が岡本誠司、石原悠企という実力派ヴァイオリニストたちと共演する豪華コンサートが行われた。そして1月12日には、昨年結成20年を迎えたトリオ・アコードの演奏会を予定している。


第3回鵠沼音楽アカデミー

・オープニングコンサート
2025.2/16(日)13:00 

第2回受講生と白井圭が共演

・リハーサル見学
2025.2/27(木)・28(金)・3/1(土)

リハーサルの一部を公開し、音楽家はもちろん、音楽が専門でない方も、多様な可能性から音楽を作ってゆく過程「舞台裏」を見学できる

・公開特別講座《ロマン派音楽の演奏》(仮題) 講師:有田正広
2025.2/28(金)

・アカデミーコンサート
2025.3/2(日)14:00開演

音楽を考え続けたアカデミー最終日に臨む修了コンサート。
様々な挑戦と、達成の喜びが入り混じる「生の音楽」を演奏者と聴衆で共有する。

鵠沼音楽アカデミー
スペシャル応援イベント


トリオ・アコード
2025.1/12(日)17:00 レスプリ・フランセ(定員40名 先着順)

出演:
白井圭(vn)
門脇大樹(vc)
津田裕也(pf)

会場:レスプリ・フランセ
神奈川県藤沢市鵠沼海岸7−7−11
TEL:0466-34-3299
問:https://km-academy.jp/contact/