ペトル・ポペルカ(指揮) プラハ放送交響楽団

注目集める若きマエストロによる濃密なチェコ・プログラム

左より:ペトル・ポペルカ ©Vojtěch Brtnický/三浦文彰 ©Yuji Hori/佐藤晴真 ©Seiichi Saito

 ちょっと前まではシュターツカペレ・ドレスデンのコントラバス奏者だった。本格的に指揮者に転向してから今年で8年ほど。にも関わらず、すでにノルウェー放送管弦楽団、プラハ放送交響楽団の首席指揮者に就いて実績を積み、来季からのウィーン交響楽団の首席指揮者にも決まった。ヨーロッパで旋風を巻き起こす有望株だ。そのペトル・ポペルカが、プラハ放送交響楽団を率いて来日、オール・チェコ・プログラムを披露する。

 かつてアンチェルやレナルトといった名匠がポストを務めてきたプラハ放送響は、チェコを代表するオーケストラの一つ。この国のローカル色と放送響ならではの柔軟性を併せ持つ実力派だ。

プラハ放送交響楽団 ©Michal Fanta

 サントリーホール公演では、スメタナの「モルダウ」に、ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲(三浦文彰)、交響曲第9番「新世界より」。東京オペラシティでは、ドヴォルザークのチェロ協奏曲(佐藤晴真)と、スメタナの「わが祖国」抜粋によるプログラムを演奏する。スメタナ生誕200年を記念して、「わが祖国」を全曲演奏する高崎芸術劇場での公演も聴き逃せない。

 ポペルカといえば、2022年に東京交響楽団に客演。繊細にサウンドを作りながら、スケール感あふれる演奏を聴き、こんな優れた指揮者をこれまで知らなかったことを恥じたほどだ。今回の来日公演は、さらに上に登り詰めるであろう新鋭指揮者の振るチェコ音楽にどっぷりと浸れる絶好の機会だ。
文:鈴木淳史
(ぶらあぼ2024年7月号より)

2024.7/9(火)19:00 高崎芸術劇場
7/11(木)19:00 サントリーホール
7/13(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:AMATI 03-3560-3010
https://www.amati-tokyo.com
※公演によりプログラムが異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。