文化の拠点の新たな門出を祝う
1800席の大ホールなどを擁する新宿区立の複合文化施設として、1979年にオープンした新宿文化センター。近年は新宿コマ劇場や東京厚生年金会館などの閉館に伴い、周辺では唯一の大ホールとなり、区内のみならず都内全域でも、ますますその重要性を高める中、節目となる35周年を迎えた。それを記念する、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付」。
わが国では、年末になると数多く聴ける「第九」だが、実は、ヨーロッパではホールの落しなど特別な機会を選んで上演される。その意味では、今回の「開館35周年記念の、師走の第九」は、2つの理由でいかにも相応しい。
演奏を担うのは、十束尚宏指揮の東京都交響楽団に、髙橋絵理(ソプラノ)、谷口睦美(メゾソプラノ)、大槻孝志(テノール)、宮本益光(バリトン)という4人の実力派ソリスト、そして、区民を中心に一般から公募した「新宿文化センター合唱団」の布陣。
瑞々しいサウンドでホールを満たし、区民のための文化の拠点の新たな門出を祝う。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年12月号から)
12/20(土)18:00 新宿文化センター
問:新宿文化センター03-3350-1141
http://www.regasu-shinjuku.or.jp