北九州の玄関口「小倉」のみどころをご紹介!《夏~秋 編》
1993年の開館以来、その音響の良さから国内外の一流アーティストが訪れる響ホールは今年開館30周年を迎えます。その響ホールがある北九州市の魅力を、地元最大級の地域メディア「北九州ノコト」編集部さんの協力を得てご紹介。人々の往来が再開しつつある今、《音楽のある旅》を計画してみてはいかがでしょう?
響ホールを訪れるために、新幹線や飛行機などで北九州市へと向かう人たちが利用する機会が多いのが「小倉駅」です。各地からのアクセスも良く、観光する際の起点にもしやすい小倉駅周辺は、北九州市最大の繁華街で昼夜問わず、にぎわいを見せる街です。観光スポットや飲食店なども多くあるため、どこから行けばいいのか迷ってしまう…という人のために、今回は北九州・小倉ならではの体験が楽しめる3つをピックアップし、紹介します。
●みどころ その1 夜景観賞定期クルーズ
2022年3月に「日本新三大夜景都市」全国第1位に選ばれた北九州市。古くから日本の近代化をリードしてきた『ものづくりの街』としても知られ、響ホール客席内にも地元企業が製作したガラスやレンガなどの素材が使われています。臨海地帯周辺には多くの工場が建ち並び、夜になると無数の明かりで彩られた工場群が暗闇に浮かび上がります。
幻想的な工場夜景を気軽に楽しめるのが、毎週土・日曜に関門汽船が運行している「夜景観賞定期クルーズ」です。門司港と小倉港を出発する2コースがありますが、今回紹介するのは小倉駅から徒歩7分ほどの場所にある小倉港発の「工場夜景観賞コース」です。
小倉港を出発し、小倉の工場夜景を眺め、若戸大橋・洞海湾を通って渡船乗場に戻ってくるルート(所要時間約110分)。船上からは北九州市が誇る海岸沿いの「工場夜景」や「市街地の灯り」を眺めることができ、船内では工場夜景ナビゲーターが工場夜景や北九州市の魅力を紹介してくれます。
出航時間は、4月〜9月が午後7時頃発で、10月〜3月が午後6時30分頃発。空と海の色が刻々と変わり、キラキラときらめく工場夜景が姿を見せ始めます。かつて『東洋一のつり橋』と呼ばれた、若松区と戸畑区を結ぶ真っ赤な「若戸大橋」もライトアップ。北九州市民でもなかなか海から工場夜景&若戸大橋を眺めたことがあるという経験を持つ人は多くないので、貴重な体験をすることができますよ。
「工場夜景観賞コース」運航日は第1・2・3・5土曜・日曜。料金は大人2500円。事前予約が必要なので、北九州を訪れる日程が決まったら希望乗船日を早めに予約しておきたいですね。
■住所/北九州市小倉北区浅野3丁目9-1
■旅客運賃/大人2500円
関門汽船
http://www.kanmon-kisen.co.jp
●みどころ その2 旦過市場
2022年4月19日、8月10日と2度にわたって大規模な火災に見舞われた小倉北区・旦過(たんが)地区。その中心的な存在であり、 “北九州の台所”とも呼ばれる「旦過市場」も深刻な被害を受けましたが、焼けた店舗の跡地に整備された仮設店舗「旦過青空市場」への入居も少しずつ始まり、今年12月には映画館「小倉昭和館」も営業再開を目指すなど、多くの人たちが力を合わせ、復興に向けて歩んでいます。
約100年の歴史を誇る旦過市場は、近海で捕れた新鮮な魚介類や地元の農畜産物などが揃い、多くの料理人たちも仕入れに訪れるという豊富な食材が何よりも大きな魅力です。
中でも注目してほしいのが、郷土料理「ぬかみそ炊き」。青魚をぬかみそ(ぬか床)で炊き込んだ「ぬかみそ炊き」の専門店があり、それぞれのお店で長年受け継がれてきた「ぬか床」を使用しています。お店の人たちと会話しながら、お気に入りの味を探せるのも市場ならではの醍醐味です。
旦過市場は小倉駅から歩いて10分ほどの場所にあり、周辺には地元グルメが味わえるお店もたくさんあるので、買い物を楽しんだり、飲食店に立ち寄ってみたりしながら、散策するのもオススメです。
■住所/北九州市小倉北区魚町
旦過市場
https://tangaichiba.jp
●みどころ その3 TOTOミュージアム
北九州モノレール「香春口三萩野」駅から徒歩約10分、西鉄バスだと「貴船町」バス停からすぐの場所にある、清潔感のある白を基調としたカーブを多用したデザインが印象的な建物が「TOTOミュージアム」です。
響ホールなど市内の各会場で開催される「北九州国際音楽祭」を第1回開催(1988年)から特別協力という形で継続して支援している「TOTO株式会社」。そんな同社の本社・小倉第一工場敷地内にあり、同社創立100周年記念事業として設立されました。建物の1階はTOTOの最新商品が展示されている「ショールーム」、2階が「ミュージアム」となっています。
ミュージアムでは、東洋陶器株式会社(現TOTO株式会社)の創立時(1917年)から今に至るまでの足跡や、受け継がれるものづくりへの想い、世界各地での事業展開を大きく3つに分けて、貴重な資料とともに紹介。
TOTOのものづくりの原点である、国産初の腰掛式水洗便器(1914年完成)を復元したものをはじめ、1964年の東京オリンピックを機に誕生した日本初のユニットバスルーム(JIS規格による)をホテルニューオータニから移設し一般公開。
ほかにも、霞が関ビルディング(大便器ユニット)、迎賓館赤坂離宮(大便器・ビデ・浴槽)など、それぞれの時代を象徴する歴史的な建築物に採用された水まわり商品も展示されています。
幼児用腰掛便器から力士用便器まで、身体に合わせて開発された3種類の便器に実際に座って大きさの違いを体験できるコーナー「座ってみよう、いろいろな便器」で、記念撮影するのもいいかもしれません。
特別展示室で11月12日まで企画展示「進化を続けるネオレスト展 ~誕生30年の軌跡~」も開催中です。
また、ミュージアムショップでは、「超ミニチュア便器」をはじめとするTOTOミュージアムオリジナルグッズや、地元企業とのコラボ商品なども販売されているので、珍しい北九州土産を探している人は要チェックです。
■住所/北九州市小倉北区中島2-1-1
■開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
■休館日/月曜日・夏期休暇・年末年始
■入館料/無料
TOTOミュージアム
https://jp.toto.com/knowledge/visit/museum/
2023北九州国際音楽祭
http://www.kimfes.com
北九州市立 響ホール
https://www.hibiki-hall.jp
北九州最大級のローカルメディア「北九州ノコト」
https://kitaq.media/